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コラーゲン広報室

シンポジウム

2015年10月8日、11月13日 開催コラーゲンペプチドの機能性研究
〜皮膚・関節・骨について〜①

コラーゲンシンポジウム2015
10/8 大阪会場:あべのハルカス会議室 ご参加:169名様
11/13 東京会場:丸ビル ホール&コンファレンススクエア ご参加:61名様

消費者の皆様に、コラーゲンペプチドを健康長寿に役立つ食品機能成分としてお使いいただくため、食品機能学の専門家である城西大学 真野教授に、そのメカニズムや機能の研究状況を解説していただきました。

写真:真野博
城西大学 薬学部 医療栄養学科(食品機能学研究室) 真野 博 教授

現在:城西大学薬学部医療栄養学科(食品機能学研究室)、城西大学大学院薬学研究科医療栄養学専攻 教授、博士(農芸化学)

1989年 東京農業大学農学部農芸化学科卒業
1994年 同大学院農学研究科農芸化学専攻博士後期課程終了
同年 明海大学歯学部口腔解剖学講座助手
1998年 東京農業大学応用生物化学部バイオサイエンス学科講師
2001年 城西大学薬学部医療栄養学科講師
2005年 同准教授
2010年 同教授、現在に至る。
専門:食品機能学、骨代謝学、分子細胞生物学

著書に、『「トクホ」のことがよくわかる保健機能食品・サプリメント基礎と活用』『生活習慣病治療薬・基礎と活用』いずれも城西大学薬学部医療栄養学科編著・カザン、『コラーゲン完全バイブル』幻冬舎メディアコンサルティングほか。

講演写真(東京)
東京公演

今日は、コラーゲンペプチドの機能性ということでお話をさせていただきます。
私のいる城西大学は奥武蔵の自然が豊富で綺麗な川(高麗川)が流れているところにあります。
私は管理栄養士を養成する薬学部医療栄養学科の教員です。農学部出身で、約100年前にオリザニン(ビタミンB1)を発見した(世界に何人かいるビタミンの第一発見者のひとり)鈴木梅太郎先生の弟子の弟子の弟子にあたります。鈴木梅太郎先生は、当時たいへん多かった脚気(かっけ)に対して、通説であった病原菌から起きるのではなく、知られていない栄養素があり、その栄養失調から起きるものと考えて研究し、米ぬか(米の外側の成分=今でいう食品機能性成分)からオリザニン(ビタミンB1)を発見しました。

私も、鈴木先生の弟子の弟子の弟子ですので同じように考え、現在の高齢者社会において、まだ世の中で知られていない栄養素で、高齢者が健康で健やかに暮らすために必要な栄養素があるのではないかと研究をしています。その高齢者に必要な新たな栄養素のひとつがコラーゲンペプチドだと考えています。

私は、新田ゼラチンと共同研究を始める十数年前まで、多くの方と同様にコラーゲンペプチドを食べても効果がないと考えていました。私が学生の時は、コラーゲンを食べてもアミノ酸に分解されるので特別な機能は無いと教わりました。
そのほか、私が学生の時は、食物繊維も栄養素ではなく、単なる“かす”と見られていて、食物繊維の多い食べ物は「栄養価の低い物を食べてどうするんだ」と言われていた時代でした。
それが約30年前ですが、この30年間で見方が変わり、今は食物繊維のことを“かす”ではあるが重要な“かす”で、食べなくてはいけない栄養素になっています。

100年前、ビタミンは知られていませんでした。30年前は食物繊維も栄養素として知られていませんでした。それでは今はどうでしょうか。十数年前まではコラーゲンペプチドを食べても“たんぱく質”としてアミノ酸に分解されるだけと考えられていました。しかし、そうではないとわかってきたのです。

講演写真(大阪)
大阪公演

1 なぜ今、食品機能成分(サプリメント)が重要なのか?

日本人の平均寿命はすごく伸びて(男性80歳、女性86歳)、立派な長寿大国になりました。日本は人口が減っていきますが高齢者の割合は増えていきます。国のことを考えると、75歳や80歳になっても働いて税金を納めることが出来るくらい、元気な方が増えていかないと国が危ういと思われます。

ところが実際は、要介護状態にならない年齢である健康寿命において、平均寿命より男女とも10年前後短く(男性70歳、女性74歳)なっています。これは介護状態が平均10年もあるということです。介護が必要になる要因は、脳血管疾患18%、認知症16%、高齢による衰弱13%、転倒・骨折12%、関節疾患11%という順番で発表されていますが、よく見ると転倒・骨折12%と関節疾患11%を加えた骨格系疾患が23%を占めて第1位となります。
私は、骨の研究者として、骨と関節の調子が悪くて要介護になっている人が4人に1人いる現状を解決することで、要介護になる人を減らしたいと研究をしています。

今迄は、快適なライフステージを過ごすために必要な栄養素は、5大栄養素である炭水化物(糖質)、脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラルと6番目の栄養素の食物繊維であるとされていました。これからは、かくれ老化の方やシニアの方が元気に暮らすため、それらの方のみに必要な、知られていない7番目の栄養素があると考えています。

講演スライド1

これまで、赤ちゃんが大人になる過程で元気に暮らすことのできる栄養素は全部わかってきました。しかし、シニアの方が元気に暮らせる栄養素は、特に研究する必要がなかったのです。(まずは子供から大人までの成長を優先し、シニアまで至っていなかった)

食の要素では、①食文化(○○料理)、②食生活(規則性、ぜいたく)、③食事(和洋中、内中外)、④食品(食材を加工したもの)、⑤食材(農林水産資源)、⑥嗜好性・美味しさ(二次機能=味、香り、食感等)、⑦栄養素(一次機能成分=栄養素、カロリー)について、既に管理栄養士らが対応し、いい食事を開発しています。
しかし、まだわからない栄養素がたくさんあって、それを⑧食品機能成分(三次機能成分)と言います。その食品機能成分を食品から抽出・濃縮したものがサプリメントです。この三次機能成分の中から、将来は高齢者に必要な栄養素として認知されるものが出てくると思われます。

講演スライド2

食品機能成分(三次機能成分)と栄養素(一次機能成分)は基本的には同じものだと思っています。現段階では食品機能成分であるコラーゲンペプチドも、将来(何十年か先になるかもしれませんが)は、高齢者に必要な栄養素になると思い研究を進めています。

食品機能成分や栄養素は、「体の材料になるもの」と「体の調子を整えるスイッチを入れるもの」の2種類があります。例えば、栄養素でカルシウムは骨の材料になります。ビタミンDは細胞に作用して骨を作れというスイッチを入れます。工場に例えると、材料だけあっても、工場を動かす工員や機械が無いと製品ができないのと同じです。
コラーゲンペプチドは“たんぱく質”として「体の材料になるもの」ですが、それに含まれる活性型ペプチドが「体の調子を整えるスイッチを入れるもの」として働くため、両方の機能があることが特長と考えています。

現在、「食べ物」から「クスリ」を作ろうとして、当大学の薬学部で研究をしていますが、それは、食品の中から有効成分を抽出・濃縮することで作ります。コラーゲンペプチドの場合は、食品のコラーゲンから、本当に効く成分である活性型コラーゲンペプチド(PO:アミノ酸のプロリンとヒドロキシプロリン、OG:ヒドロキシプロリンとグリシンがくっついたもの)が摂れるように抽出・濃縮します。
活性型コラーゲンペプチドが特定できるなら、それだけを合成してクスリにしたら良いのでは、という考え方も出てきますが、現在は、それが安全かどうかもわかっていません。それともうひとつ強調しておきたいのは、食品として治療よりも予防に役立てる方が重要だと思っています。病気になればお医者さんに行って治療してもらう必要がありますが、そうではない状態では自分の食生活などで健康を維持・改善していかなければなりません。

クスリは強力ですが、副作用もあります。食べ物はクスリほど強力ではありませんが、副作用が無いところが良いと思っています。

2 コラーゲンペプチドと活性型コラーゲンペプチド

通常、“たんぱく質”は20種類のアミノ酸がつながったもので、それを食べると膵臓から出た消化酵素でバラバラに分解されて、単体のアミノ酸として小腸から吸収され、体の中で作り変えられます。ですので、牛や豚を食べても、体が牛や豚にならずに、ヒトの体の材料として使われます。

ただ、たんぱく質の中でコラーゲンだけは、ヒトの消化酵素で分解し難く、ジペプチド(アミノ酸が2個くっついたもの)、トリペプチド(同3個)などのペプチドの形で小腸から吸収され、血液中に移行して存在します。

これらのことがはっきりわかってきたのは、ここ5年くらいのことですので、コラーゲンの専門家でなければご存知ない先生も多いです。最近では、ジペプチドなどで吸収されることが、管理栄養士の国家試験においても出題されるようになりました。

では、吸収したコラーゲンペプチドがどのように効くのかという点です。
皆さんが目に見えて老化を感じるのは、肌(皮膚)、骨、関節(軟骨)、筋肉、場合によってはメタボで脂肪、というところだと思います。これらの肌(皮膚)、骨、関節(軟骨)、筋肉、脂肪などの体を支える組織は、間葉系幹細胞というひとつの細胞から出てくる親戚のよく似た細胞です。

講演スライド3

コラーゲンペプチドは何にでも効くと思ってしまいがちですが、そうではなくて、効く細胞は決まっていて、間葉系幹細胞から生まれてくる筋肉、脂肪、肌(皮膚)、関節(軟骨)、骨などの細胞であると考えています。

この中で、今、一番わかっていないのは脂肪細胞で、研究が進んでいません。一番わかっているのは、我々も研究している肌(皮膚)、関節(軟骨)、骨で、元々コラーゲンが多い(沢山存在する)組織であるという特徴があります。これらは体を支える組織として非常に重要です。

間葉系幹細胞というのは、親みたいな細胞で、そこから肌(皮膚)、骨、関節(軟骨)、筋肉、脂肪などの細胞ができてきます。例えば、おいしい霜降りのお肉になるのは、筋肉の中に脂肪組織ができるからです。普通は起きてはいけないことなのですが、エサの与え方によって、間葉系幹細胞のスイッチの入れ方を変えることにより、筋肉の細胞になったり、脂肪の細胞になったりして、霜降り状態をつくります。

同じように、細胞のスイッチの入れ方を変えるだけで、肌(皮膚)や骨などの細胞を元気にします。
骨と肌(皮膚)の細胞がよく似た存在だというのは違和感があるかもしれませんが、骨はカルシウムがあって硬くなっていることが違うだけです。肌(皮膚)と関節(軟骨)はカルシウムがなく近いものです。このように同じような細胞であるため、コラーゲンペプチドを食べると骨にも関節(軟骨)にも肌(皮膚)にも効くのです。

用語の定義として、「コラーゲン」は体の中にある生の状態をいいます。食品になったものは昔から「ゼラチン」と言っていました。「コラーゲン」を水で溶けるようにしたのが「ゼラチン」です(今はゼラチンがコラーゲンと呼ばれることがあります)。「コラーゲンペプチド」は、「ゼラチン」を酵素で細かく分解したものです。「活性型コラーゲンペプチド」は、コラーゲンペプチドの中の機能性成分でPO、OGなどのジペプチドです。(POはアミノ酸のプロリンとヒドロキシプロリンがくっついたもの、OGはヒドロキシプロリンとグリシンがくっついたものです)

元々、体の中でもコラーゲンペプチドは存在しています。骨を鉄筋コンクリートの建物で例えると、コラーゲンである鉄筋のまわりにカルシウムのセメントを塗った鉄筋コンクリートのビルの柱のような構造をしています。そして、破骨細胞は鉄筋であるコラーゲンを分解して体の中でコラーゲンペプチドを作り出します。次に骨芽細胞がコラーゲンを新たに作ります。その代謝が繰り返されて1年間に10%程度の骨が生まれ変わります。

食品中のコラーゲンは、動物の皮や骨からゼラチンを抽出して、それを酵素で分解してコラーゲンペプチドにします。つまり、食べ物も体の中で起こっている現象も同じなのです。

講演スライド4

若い人や子供は、新陳代謝が早いので、コラーゲンペプチドを体の中でたくさん作り出しています。
中高年になると体の新陳代謝が遅くなり、体内でコラーゲンペプチドがあまりできなくなって、それが老化現象の要因になっているのではないでしょうか。コラーゲンペプチドを食品として摂取することは、若い人には必要ないが、シニアにのみ必要であるという理由がこれです。

食品のゼラチンですが、ゼリー作りに使用されたことはありますでしょうか。ゼリーを作る際、生の果物を入れると固まらないことがあります。それは、果物の酵素でゼラチンが分解されてコラーゲンペプチドになっているからです。

余談になりますが、コンビニやスーパーで売っているゼリーは、ゼラチンではなく、増粘多糖類(ゲル化剤)が使われている場合が多いです。増粘多糖類は悪いものではなく食物繊維(海藻や豆など)です。食物繊維を摂ろうと思って食べるのなら良いのですが、ゼラチン(コラーゲンペプチド)を摂取しようと思っても、それは摂れません。

講演スライド5

ヒトのコラーゲンのアミノ酸配列を示しましたが、約20種類のアミノ酸が1,000個くらいつながっているものです。これは、ヒトと豚、牛、魚など動物では、ほとんど変わりません。この図はⅠ型コラーゲンですが、Ⅱ型コラーゲンになっても配列自体はほとんど同じです。

コラーゲンのアミノ酸配列の特長は、PO、OG、POGがたくさん出てくることです。OGという配列は約100箇所、POという配列は約50箇所あります。こんな“たんぱく質”は他にありません。
そして、PO、OGはヒトの分解酵素で分解され難い特長があります。このようなことから、活性型コラーゲンペプチドのPO、OGに関して、その機能が発揮できる必要量を吸収できるのです。

食品の「ゼラチン」ゼリー等でもPOなどの活性型コラーゲンペプチドを吸収できますが、「コラーゲンペプチド」のサプリメントとして摂取した方が2倍近く多く吸収でき、吸収の個人差も少ないというデータがあります。

「ゼラチン」も活性型コラーゲンペプチドの効果はあると言えますが、「コラーゲンペプチド」はそれを摂りやすく、吸収しやすくしたものです。

文責:食卓にコラーゲンを♪推進委員会 事務局 小田義高
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