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コラーゲンペプチドのメカニズムについてご紹介します。

「コラーゲンペプチド」のメカニズム

「コラーゲンペプチド」のメカニズム

「コラーゲンペプチド」を摂ると、各部位の細胞にシグナル(命令)を与える活性型コラーゲンペプチド(P-O、O-G)が体内で出現して、修復が必要な組織の細胞にシグナルを与える生理活性作用があることがわかりました。

コラーゲンペプチドのメカニズム

コラーゲンペプチド(P-O、O-G)は、腸で吸収後、血流にのって、皮膚、軟骨、骨などの細胞に運ばれて、細胞の働きを調整するようシグナル(命令)を出します。

コラーゲンペプチドとシグナル

真野 博 教授

城西大学薬学部 医療栄養学科 真野 博 教授

実は肌も骨も軟骨も、ほとんどが同じ成分で構成されています。ミネラル(カルシウムなど)の有無によって、硬さが違うだけで基本構成は同じものです。なかでもコラーゲンはその要になります。
コラーゲンペプチドがマルチに働くのは、肌や骨や軟骨など同じような成分で構成され、それぞれの細胞に直接命令を出すことができるから。だからコラーゲンペプチドは全身にマルチに機能を発揮することができるのです。

ヒト血中への吸収試験 【実験1】ペプチド態の総吸収量

ペプチド態の総吸収量

5名にコラーゲンペプチドを食べてもらった後、血液を採取し、含まれているコラーゲンペプチド由来のアミノ酸およびオリゴペプチド量を調べたもの。グラフは、縦軸がアミノ酸の濃度、横軸が経過時間。このようにコラーゲンペプチドを食べてからの経過時間によって若干の変動はあるものの、血中に吸収移行したコラーゲン由来のアミノ酸のうち、70~80%が単体である「アミノ酸」として、残り20~30%が数個のアミノ酸が連なったままの「オリゴペプチド」の形で存在していることがわかった。

『FOOD Style21 Vol.15 No.2 2011年2月号 P52~57 杉原富人(新田ゼラチン(株))ほか』食品化学新聞社より改変して転載

実験結果

血液中に吸収移行したコラーゲン由来のアミノ酸に対して、20~30%は、2~3個のアミノ酸が連なったペプチドの形で長時間存在していることが確認されました。

※「コラーゲン完全バイブル」(真野博著、幻冬舎メディアコンサルティング)の内容を改変して転載しています。

ヒト血中への吸収試験 【実験2】コラーゲンペプチドのヒト血中動態

ペプチドのヒト血中動態

この測定結果によると、血しょう中に出現するオリゴペプチドは「プロリン-ヒドロキシプロリン(P-O)」が40~50%ともっとも多く、次いで「ヒドロキシプロリンーグリシン(O-G)」、そのほか「プロリンーヒドロキシプロリンーグリシン(P-O-G)」、「グリシンープロリンーヒドロキシプロリン(G-P-O)」といったトリペプチドも見られるが、まだまだ未同定のものも多い。また、時間経過によるオリゴペプチドの血中濃度は、1~2時間後にもっとも高くなり、その後だんだん低下していくものの、4時間経ってもピーク時の半分程度の濃度を保っていることがわかった。

『ジャパンフードサイエンスVol.50 2011年7月号 P17~23 井上直樹(新田ゼラチン(株))ほか』日本食品出版より改変して転載

実験結果

血液中に吸収移行したコラーゲン由来のペプチドのうち、生理活性作用を発揮することが確認されたコラーゲンペプチドP-O、O-Gが多く出現することがわかりました。

※「コラーゲン完全バイブル」(真野博著、幻冬舎メディアコンサルティング)の内容を改変して転載しています。

【解説】なぜ、P-O、O-Gがペプチドのまま多く吸収されるのか?

吸収のカギとなる「O」

O(ヒドロキシプロリン)はコラーゲン特有のアミノ酸で、すべてのペプチドに含まれています。Oを含むペプチドは特殊なつながり方をするためタンパク質分解酵素が作用しにくく、ペプチドのまま吸収されるというわけです。

コラーゲンとアミノ酸

ペプチドのゆくえ

コラーゲンペプチドの中でも「P-O」に目印をつけてラットに食べさせ、カラダのどこにそのペプチドが運ばれるのかを確かめる研究では、骨・関節・皮膚に運ばれていることが確認されました。また、そのペプチドがどこまで届いたのかを調べると、「細胞レベル」まで届けられることが明らかになったのです。
人間においても同じように、血中に溶け込んだペプチドは、血流にのってカラダの各部位の細胞まで運ばれていくのではないかと推測されます。

ポイント

コラーゲンペプチドは、容易に小腸でHyp-ペプチドとして吸収され(主として:Pro-Hyp(P-O)とHyp-Gly(O-G))、循環器系を通って安定に標的組織(調整が必要な部分)に到達する。生理的機能性を追求する上では、生理活性本体であるO-PやO-Gの吸収性が重要です。酵素分解方法により、P-OやO-Gの前駆体を露出できるかがポイント。コラーゲンペプチドは、量(ペプチド態の総量)より質(特定分子の量)を重視して製品化しなければなりません。

コラーゲン由来のペプチドは細胞に作用する

コラーゲンペプチドは線維芽細胞や軟骨細胞の細胞膜を何らかの方法で通過、あるいは受け皿を介して、命令を細胞核に伝える。命令を受け取った細胞核は、ヒアルロン酸をつくったり、コラーゲンをつくる環境を整えたりなどの活動をはじめる。なお、細胞膜には、細胞の中と外を分ける仕切りとしての役割のほか、細胞に必要なものだけを中に入れる「関所」のような役割や、ホルモンや神経の刺激といった外からの情報(命令)を中に伝える「伝令」の役割などもある。

※「コラーゲン完全バイブル」(真野博著、幻冬舎メディアコンサルティング)の内容を改変して転載しています。

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