第2の脳とも言われる腸内の状態は健康と密接な関係があります。腸内環境をより良い環境に保つことがダイエットの基本です。まずはまずは腸がどんな仕事を分担しているのか、頭に入れておきましょう。
やせたければ腸内環境を整えよう
腸は「第2の脳」とも言われます。私たちの腸内にはおよそ1000種類、100兆個もの細菌が生息しています。腸内の環境は食べ物やストレス、加齢や生活習慣などの影響を受け腸内環境が乱れると不調につながりやすくなります。
腸内環境について知り、毎日の食べ物に気を付けて痩せやすい腸内細菌を増やしましょう。
栄養は小腸から吸収する
腸には小腸と大腸がありますが、それぞれ役割が違うって、知ってましたか?
実は、小腸は栄養を吸収する場所です。
栄養は胃で吸収すると思っている人が多いかもしれませんが、胃では食べ物を消化液で小さくするだけです。胃で細かく分解された食べ物は、小腸のトップバッター、十二指腸で胆汁や膵液と混ざります。
その後、それぞれの栄養素の最小単位に分解されて、腸壁から吸収されます。最小単位とは、お魚だったらアミノ酸、ご飯だったらブドウ糖、油だったら脂肪酸やコレステロールです。
小腸の長さは、約6メートル、腸壁には細かい粘膜が沢山ありそれらを伸ばすとテニスコート一面分になります。
もし、こんなに広い面積が炎症を起こし、環境が悪化したら・・・
と考えると、腸内環境を整える意味合いがわかってきます。
大腸は栄養を作る場所
小腸で消化吸収されなかった食べ物の残りは、大腸に運ばれます。
そして一部(水溶性食物繊維)は腸内細菌により代謝され、短鎖脂肪酸(酪酸、プロピオン酸、酢酸など)を産生し、腸内環境を改善します。ビタミン類も腸内細菌が作ってくれます。大腸の細菌が栄養を作ってくれてるなんて、とても不思議ですが、人と腸内細菌は切っても切れない関係にあります。
腸内細菌を含めて「自分」と考える方が自然でしょう。
健康な人の便は、80%が水分です。残る20%のうち1/3が食べかす、1/3が生きた腸内細菌、1/3がはがれた腸粘膜です。
善玉菌をふやそう
腸内細菌は腸内フローラともいいます。どうやって獲得するかというと、生まれた時にお母さんの産道からもらいます。それ以外にも産院やお父さんの手など周りの環境から様々な菌をもらいます。
学習障害、うつ、ストレス耐性なども腸内フローラとの関係が明らかになっています。マウスを使った実験では、性格までも腸内フローラが決めているとまで言われています。
腸内フローラには善玉菌・悪玉菌・日和見菌がいます。
これらの菌がいいバランスでいることが重要で、悪玉菌は「悪」だからいないほうが良いかというとそうではなく、悪玉菌ゼロだと、善玉菌の活性が低い、など問題が生じてきます。
そして、日和見菌の中には太りやすくなる「デブ菌」とダイエットの味方の「ヤセ菌」という、なんとも気になる菌がいます。日和見菌はその時の優勢な菌にひっぱられるので、善玉菌が働きを強めれば日和見菌はいっせいに良い働き(ダイエット効果を促す)をします。
逆に、悪玉菌が増えれば、腸内で悪さをする菌が増えてしまいます。ということは、ダイエット成功のためにやることはただ一つ、善玉菌を増やすことです。
善玉菌の効果
善玉菌は、水溶性食物繊維やオリゴ糖を食べて、短鎖脂肪酸という物質を産生します。
善玉菌(乳酸菌、ビフィズス菌など)が少ないと、菌の産生物も少なくなってしまいます。
水溶性食物繊維の多い食材を毎日のメニューに入れてくださいね!
また、短鎖脂肪酸には次のような作用があり、ダイエット(ステップ3からステップ5)はもとより、免疫にも関係します。菌のエサとなる水溶性食物繊維はすばらしいです。
- 腸管粘膜の保護
- 腸管免疫の制御
- 肝臓での脂質の合成を抑える
- 白色脂肪細胞に作用し、脂肪の蓄積を抑える
- 交感神経節に作用し、エネルギー消費を増やす
- GLP-1(インクレチン)を増やし、食後血糖値を抑える