ダイエットの停滞期はなぜ起こるのか?停滞期の乗り越え方は?一番やってはいけないことは、自暴自棄になること。停滞期のメカニズムと、上手に乗り越える方法をご紹介します。
ダイエットの停滞期を上手に乗り越える方法
停滞期はなぜ起こるのか?⇒カラダは安定が大好き
人間のカラダは、大都市のようなものです。
例えば東京。大量の人や物が流入したり、イベントでお金が落とされたり、レストランで食材が消費されたり・・・様々な要素が積み重なり、大都市として機能しています。
カラダも、何を食べて何を飲み、どれだけ運動して、下痢や便秘があり、ストレスで過食したり、食欲がなくなったり・・・そして現在の体重○kgが決まります。
カラダは、各臓器の働きや、酵素の活性などが急に大きく変化することを嫌います。いつも一定で安心した機能を維持し、生命活動をスムーズに行いたいからです。
これがホメオスタシス。
太る時は、思いのほか簡単ですよね。
それは、飽食の時代になっていても、私達は、いまだに飢餓に備える遺伝子を有するからです。飢餓なんて考えられない現代の日本人でも、食べ過ぎた食事は脂肪として腹回りにため込んで、飢餓に備えています。
痩せる時はこの逆で、臓器は健康になっていくけれど、カラダ全体としては備蓄の脂肪が減るので、これ以上痩せては大変、とバランスを取ろうと働きます。
これが停滞期です。
だから「はいはい、これは停滞期だね。」と大きく構えて、焦ることはありません。
では、停滞期に何をすれば抜けられるのでしょうか?
停滞期を上手に乗り越える方法
一番やってはいけないのは自暴自棄
「いつもこうなんだ」「頑張ったのに、頭にくる」と言って自暴自棄になることは最も避けたいです。だって、これが人間の仕組み。あなたのカラダはちゃんとホメオスタシスを持っているという証拠です。
まずは、今のダイエットがうまくいっていたなら、継続することです。
もし、あなたが「一つの食材に頼るダイエット」「サプリだけに頼るダイエット」「運動なしのダイエット」をしていたら、見直すチャンスです。
本物のダイエットとは案外平凡なものです。勉強に王道なしと同じかもしれません。
停滞期は勝負どころです。試されていると観念して、今のダイエットを継続しましょう。しかし、停滞期が長く続く場合の対策を2つご紹介します。
1.食と運動のバランスを崩す
まずは、安定してしまったカラダの収支を崩すことから始めます。
選択肢は食を減らすか、運動を増やすか、ですが、安全な方法は運動を増やすことです。たとえば、歩く時間を1時間くらい増やしてみてはいかがでしょうか?そしてそれを継続する。
カラダに変化を与え、これを継続する。このことで「これが新しいスタンダード」とカラダに納得してもらうことが大事です。ホメオスタシスも新しいスタンダードにあわせてくれるので、停滞期から抜け出して、体重は減っていきます。
ここで大切なのは、数日でやめてしまわないで、2週間くらいは継続すること。もうひと頑張りです。新しいスタンダードの自分が待っていますよ。
2.その目標体重はあってますか?
ダイエットの目的は、女性だったら、好きな服が着たい、見た目がスレンダーになりたい、男性だったら、腹囲が気になる、健康診断の数値をよくしたい、などが多いようです。
男性はどちらかというと甘い目標体重を設定する人が多いです。一方、女性の場合は、目標体重をかなり低く設定する人が多く見られます。私たちが目標体重を決める時に、実は驚くほど沢山の要素に影響されます。テレビ番組、コマーシャル、インターネット、友達の体重、若い頃の体重など。
停滞期に、ご自身の目標体重を見直ししてみるのも、いいと思います。あきらめましょうという意味ではありません。もし、根拠のない数値にこだわっていると気が付いたら、新しい目標体重を設定してみましょう。
気持ちが楽になって、体重にも変化が出てくるかもしれません。
もし、目標体重を何キロに設定すればいいかわからない方がいたら、4%落とすことを目指してください。
厚生労働省の研究で、体重のたった4%を落とすことにより、血糖値、HbA1c、中性脂肪、HDLコレステロール、血圧が改善することがわかっています。(平成23年、厚生労働科学研究)