ウォーキングや早歩きをするときには、足を速く動かすのではなく、重心を「前に」運ぶことが必要です。そのための正しい歩き方と、ウォーキング時の荷物や靴について、ご紹介します。
ウォーキングの正しい歩き方
ウォーキング・早歩きのときの正しい歩き方
ウォーキングや早歩きをするときには、足を速く動かすのではなく、重心を「前に」運ぶことが必要です。そのためには、胸の上の方を前に引っ張られるように意識し、腕を後ろに振って体を前に進めること、後ろ足で地面を押すことです。
- みぞおちとのど仏の中間くらいを、誰かが前から引っ張っているように意識すると、重心移動がスムーズになり、自然と早くなる
- 足の裏に上半身をすばやく乗せる
- 左右の腕は、体に対し平行に、意識して後ろに振る
- 足は指先まで意識して、しっかり地面を押す
- 足は振り子のように、おへその辺りから前に出す
効果の上がるウォーキング、肘は曲げるの?伸ばすの?
ウォーキングの時に肘を伸ばすか曲げるかは、どちらかが正解なのではなく、筋力や本人の身体の使い方、手のむくみ方、などによって選ぶとよいでしょう。
日常歩きでは、肘は伸ばして歩きますが、ウォーキングの時には曲げても伸ばしてもかまいません。肘を曲げると、リズミカルな歩きになり、腕はむくみにくくなるので、長距離には向いています。
比較的筋力のある男性は肘を曲げたほうが歩きやすいようですが、筋力が弱い女性は、肘を曲げると肩が上がって腹筋に力がうまく入らず、後ろ重心になることがあり、腕は伸ばして振るほうが体幹が安定しやすくなります。
基本のフォームが崩れず、関節痛などが起こらず、早く歩けるのであればやりやすい方を選びましょう。お勧めは、歩きはじめは肘を伸ばし、途中に曲げるのを入れるなど、組み合わせることです。
生活の中で歩く!
歩行は有酸素運動です。ウォーキングとして行えればもちろん良いですが、長続きするコツは、通勤や買い物の時の歩きを早足(速歩)に替えること。日々の移動の歩きをエクササイズに変えてしまいましょう。
荷物について
リュックなら両手が空きますが、ひもを長くしておくと荷物がぶら下がり、肩や腰に過度な負担がかかります。歩行フォームが悪くなり、体にゆがみが出て、速度が遅くなり、効果的な歩きができません。
リュックはひもを短めに、背中にきちんと収まるように、腰ベルトと胸ベルトがついているものが良いでしょう。手で持つものや斜め掛けのバッグは、ひもが長すぎないこと。荷物に振られてしまいます。
また、5分くらいしたら左右を持ち替えます。空いている手は振ります。長期間、長時間同じ側で持つ癖は身体のゆがみの元になります。
靴について
靴は、ウォーキングシューズ、コンフォートシューズなど、普段から歩くことに適した靴を履きましょう。サイズが合っていて足にフィットし、足の機能を補ってくれる靴は、歩くフォームを良くして早く大股で歩くことをサポートし、関節痛を防ぐことに役立ちます。
動画
【姿勢動作改善】歩き方・効果の上がるウォーキング
監修
生活習慣病、介護、ロコモの予防改善を中心に、病院や自治体などで健康寿命延伸のための身体活動の運動の必要性を啓蒙し、運動弱者を支援する講演や運動指導を行っています。
- 一般社団法人 ケア・ウォーキング普及会代表理事
- 東海大学医学部客員教授
- 公益財団法人 健康・体力づくり事業財団理事
- NPO法人日本健康運動指導士会副会長
- 日本糖尿病対策推進会議幹事(日本医師会)
- 一般社団法人足育研究会理事
- NPO法人WISH子供の足を守る会理事
- ミズノ株式会社 ブランドアンバサダー