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健康のために

健康コラム

第25回

「血管力」を上げる生活術

血管は全身に酸素や栄養を届ける運搬路。 血管の“老い”は健康寿命を縮めるさまざまな病気のもとになるだけでなく、シミやしわなどの見た目にも影響するとの報告も。
血管力アップには、適度な運動や食生活の見直しがポイントに。コラーゲンにも血管若返りの効果が期待できることが、最近の研究でわかってきました。

人は血管とともに老いる

血液は約1分で全身をひとめぐりし、細い血管へ枝分かれしながら、私たちの体を構成している何十兆個もの細胞に、酸素や栄養素を届けています。

この“運搬路”が血管。傷めば当然、体は活力不足に陥ります。血管の老いは足腰の弱まりや認知機能にも深く関わっており、全身の老いを進めるといっても過言ではありません。

医学的には、血管の老い=動脈硬化といえます。起こる部位や起こり方によって、アテローム性硬化、中膜硬化、細動脈硬化の3つのタイプに分けられます。

【アテローム性(粥状)硬化】

高血糖や高血圧、喫煙などを背景に、血管の内側を覆う内皮細胞が傷つくと、そこからコレステロールが内膜に入り込み、プラークと呼ばれる塊をつくります。血管壁が厚く硬くなるため、血液の通り道が狭くなります。

【中膜硬化(メンケベルグ型動脈硬化)】

喫煙やストレス、高血圧、腎不全などによりカルシウムの代謝異常が起こり、血液中のカルシウムが中膜に浸み込みたまるタイプの動脈硬化です。

【細動脈硬化】

血管の3つの層全体がもろくなる動脈硬化です。脳や腎臓の末梢、目などのごく細い動脈に発生しやすく、長期の糖尿病などにより起こりやすいとされています。

動脈硬化が、脳卒中や心筋梗塞などの、命に関わる疾患の要因になることはよく知られています。さらに、近年の研究で、動脈硬化が進んでいるほど顔のシミの総面積が大きく、見た目も老けて見える傾向がある、という結果も出ています(グラフ1、2)。血管の老いは外見をも左右するのです。

なお、毛細血管も加齢とともにもろくなることがわかっており、血行不良で冷えやむくみの要因に。体のすみずみに酸素や栄養素がいきわたらなくなるので、細胞の老化につながります。

動脈硬化のタイプ

【こんな症状があったら、“老い”のサイン】

手首の脈をふれたとき、ドクッドクッと指に硬い感触がある(大脈といいます)

(毎日血圧測定している人)上の血圧(収縮期血圧)はさほど変化がないのに、下の血圧(拡張期血圧)がだんだん下がってきた

血管の老いを進める「糖化」

「酸化」は体のサビとも呼ばれ、老化の要因になることはよく知られていますが、近年は「糖化」にも注目が。体のタンパク質と糖が結びついてできるAGEs(終末糖化産物)という物質が、血管や臓器に蓄積しダメージを与えます。
予防法は研究の途上ですが、糖尿病合併症に多く見られることから、高血糖を防ぐことが対策の一つになりそうです。

見た目年齢が高いのは動脈硬化のサインである!

実年齢より若く見えた人の平均(赤い線)の方が、年をとって見えた人の平均(青い線)よりも、頚動脈IMT(内膜+中膜の厚み)の動脈硬化度が低いことがわかった。

シミが多いのは動脈硬化のサインである!

顔のしみの総面積が大きい人ほど、頚動脈IMT(内膜+中膜の厚み)の動脈硬化度が高い傾向がみられた。

今からできる!血管力アップ術

血管のしなやかさは、血管の内壁から一酸化窒素(NO)が適度に放出されることで保たれることがわかっています。それを助けるには適度な有酸素運動が効果的。1日20分、“にこにこペース(息がはずまない程度)”のウォーキングや軽いジョギング、エアロバイクなどがお勧めです。

食事面は、甘いものや脂っこいものを食べ過ぎないことが基本。ただし、昨今話題になっている極端な糖質制限は、脳や体に必要なエネルギーまで減らす恐れがあるため勧められません。晩御飯の主食を控える程度にとどめましょう。

野菜や大豆、青魚には抗酸化力にすぐれた成分が豊富なので、積極的に摂ると良いでしょう。

ストレス社会ともいわれる現代は、高血圧の人が増加傾向にあります。動脈硬化を進め、脳卒中や心筋梗塞などの深刻な病気の引き金になるので、定期的な測定、塩分控えめの味付けなど、血圧の把握とコントロールを意識して行うことが大切です。

「開眼片足立ち」で血管も脳も元気に!

道具を使わずその場でできる運動としてお勧めなのが開眼片足立ち。複数の研究から持続時間と脳血管障害の程度、認知機能との間に関係があることがわかっています。

40秒未満はイエローカード。1分以上を目指しましょう。毎日続ければ脚の筋力がつくとともに血流も促進されて、血管や脳のアンチエイジングにも効果的です。
※転倒防止のため、壁際などすぐ手がつける場所で行いましょう。

開眼片足立ち

コラーゲンに血管若返り効果が

コラーゲンペプチドにも、血管をしなやかにし動脈硬化の予防が期待できることが2016年の研究で明らかになりました。

平均年齢72歳の男女64名を2つのグループに分け、一方にコラーゲンペプチドを、もう一方にプラセボとしてホエイプロテインを3カ月間、毎日2.5g摂っていただいたところ、動脈硬化(ここでは血管の弾力性)の程度をあらわす指標の一つである脈波伝播速度が、前者で有意に改善したのです(グラフ)。

この改善度合いは、血管年齢に換算するとマイナス5歳分に相当します。コラーゲンペプチドに血管若返り効果のあることが、この研究で示されたのです。

この研究結果は2017年6月の第17回日本抗加齢医学会総会で発表されました。

脈波伝播速度の平均変化量
コラーゲンペプチド群は、摂取後の脈波伝播速度が摂取前に比べ、平均-5.7%。ホエイプロテイン群は摂取前後でほとんど変化がなかった。これはコラーゲンペプチド群で動脈硬化(ここでは血管の弾力性)が改善し、その程度は血管年齢マイナス5歳分に相当することを示している。
統計学的に有意な血圧改善は伴わない結果だったが、血管弾力性の改善効果(機能的動脈硬化の改善効果)は有意に改善したことから、将来の脳血管障害、心血管障害といった疾患の予防・改善に関与していると考えられる。

黒田恵美子

お話しを伺った方 伊賀瀬道也先生

プロフィール
愛媛大学大学院医学系研究科 老年・神経・総合診療内科学特任教授
愛媛大学医学部附属病院 抗加齢・予防医療センター長

愛媛大学大学院修了後、米国留学を経て現職。2006年より動脈硬化や認知症の早期発見を目指す「アンチエイジングドック」ならびに相談外来を運営。
寝たきり予防に関する専門的な研究および啓発に力を入れている。

医学ライター 渡邉真由美

プロフィール

健康予防管理専門士。
健康・美容・医学ライター、日本メディカルライター協会会員。

「ミドル~シニア世代のQOL向上」をメインテーマに、書籍、雑誌、WEB等の企画構成、取材、執筆を数多く行っている。

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