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セミナー

2019年9月29日(日) 開催フレイル予防でアンチエイジング

タイトル:伊賀瀬道也先生 講演会レポート
テーマ:フレイル予防でアンチエイジング
実施日:2019年9月29日(日)14:00~15:30
会場:AP大阪駅前梅田1丁目APホール

紹介

講師:伊賀瀬道也

愛媛大学医学部附属病院 抗加齢・予防医療センター長
愛媛大学大学院抗加齢医学(新田ゼラチン)講座教授
※メディア出演や書籍執筆など幅広い活動をし、新田ゼラチンとコラーゲンペプチド機能性について共同研究をされています。

講師:伊賀瀬道也

1.みためが若いとアンチエイジング!

血管が若返れば健康寿命も延びる。ヒトは血管とともに老いると言われています。
頸動脈エコーで頸動脈の厚みを測ることで血管年齢がわかります。受診者の情報のない病棟看護師さん20名に写真を見せ、何歳に見えるか判定したところ、年をとってみえる人は血管年齢が高いという相関関係がわかりました。年をとって見える人は、実年齢よりも血管年齢が平均して女性で5歳高く、男性で8歳高いという結果でした。見た目が若い人は血管年齢も若いということがわかりました。

次にシミの面積と頸動脈の厚み(血管年齢)の相関を見ると、シミの面積が大きいほど血管年齢も高いことがわかりました。

954人を12年間追跡した研究報告があります。26歳時点で見た目年齢を確認して12年後の38歳の老化度を測定すると、見た目年齢が高かった人のほうが老化のペースが速いことがわかりました。
では何を食べたら見た目が若返るのか。残念ながら答えはありません。シナモン、大豆、青魚など、血管が若返ると言われるものは沢山あります。しかし、これだけ食べたら見た目が若返るというものはありません。
見た目を評価する方法の一つとしてロボスキンアナライザー(皮膚解析システム)で毛穴の数、目尻のシワの長さ、シミ面積などを解析しますが、それを使用した私たち抗加齢・予防医療センターの実験では、ラクトトリペプチドを1年間摂取することでシミ面積が減少することが確認できました。良い機能性成分は、しっかり見た目にも働くということです。同じラクトトリペプチドで血管年齢を見たところ、1年経つと普通は血管年齢も1歳分年をとるのですが、摂取群では逆に少し若くなりました。見た目も若くなるし、血管も若くなるという結果が出ています。
シミの面積の減少と血管年齢の減少の相関関係は確認できていませんが、シミの面積の減り方と糖化ストレス(最終糖化産物=AGEs)の減り方が相関することが確認できました。糖化ストレスが減るとシミの面積が減ると言えます。糖尿病の方は血管が痛みやすいことからも糖化ストレスが高くなると血管を痛めることがわかります。

2.アンチエイジング(健康長寿の延伸)と認知症

平均寿命は延びてきましたが、食事やお風呂、トイレなどが一人で出来て介護等の支援を受けなくて過ごせる期間の健康寿命との間に10歳超の差があります。2010年と2016年を比べると6年間で健康寿命は延びていますが、平均寿命も延びているので差はほとんど縮んでいません。
健康寿命を縮める要因(言い換えると要介護になる原因)は、数年前まで脳卒中がダントツの1位でしたが、最近は認知症が1位になりました。
認知症の中で一番有名なのはアルツハイマー型認知症で、脳にアミロイドβ、タウなどのタンパク質が溜まっていくことで発症します。今は、アミロイドβタンパク質を溶かす薬がありますが、それを飲んでもアルツハイマー型認知症は良くなりません。そこで、私たちのような血管を専門とする循環器系の研究者は、アミロイドβを脳の中に溜めずに、からだの外に出したらよいのではないかと考えています。その為には動脈硬化を少なくし、脳の血管を元気にして、アミロイドβを溜まらないようにからだの外に出せるようにしたら認知症にならないのでは、とういことを私たちは考えています。
実際にそれは抗加齢・予防医療センターのデータでも明らかです。軽度の認知障害(正常ではないが認知症でもない中間の状態)の段階で何らかの介入をしたら改善できるケースが多い事がわかっています。その為、軽度認知症を発見することが私たちの大きな役割になっています。脳のMRIを撮ると、脳の血管の中に白い斑点が見つけられます。血管が詰まっている隠れ脳梗塞(小さい血管が詰まっている)ではなく、小さい血管の血の流れが悪くなっている状態です。医学用語では大脳白質病変と言います。今流行りの言葉ではゴースト血管とも言います。脳の小さい血管の動脈硬化です。正常な方では大脳白質病変が15%の方に見られ、軽度認知症の方には2倍の30%の方に見られました。血管が痛んでいる方は認知機能が低下すると言えます。


赤丸は「かくれ脳梗塞」。それ以外の白くなっている部分が「大脳皮質病変」。

また、認知症を発症させないようにするための修正可能な危険因子が2017年に報告されましたが、45-65歳は高血圧、肥満(内臓脂肪)、65歳以上はタバコ、糖尿病など血管を痛める動脈硬化危険因子が多いことがわかりました。
 別な報告では、平均年齢70歳の高血圧患者で降圧薬を摂る群と薬なし群を4年後に比較すると認知症の発症が降圧薬摂取群では3.3人/1,000人、薬なし群は7.4/1,000人となり、降圧薬で認知症発症リスクが半分になりました。脳の血管を守る事で認知症の発症を減らす事ができるわけです。
抗加齢・予防医療センターでは、夜間の血圧変動を調べました。普通は夜に就寝した後、血圧は10-20%下がりますが、中には上昇する方、下がりすぎる方がいます。経度認知症の割合を見ると、夜間血圧が正常な方は10%くらいに対して、夜の血圧が下がりにくい方は30%くらい、夜の血圧が上がる方は50%くらい、下がりすぎる方も30%くらいで、夜の血圧の調節も大事だと言えます。

血圧を下げる食べ物としては、カゼインドデカペプチド(牛乳のカゼインを分解)、サーデンペプチド(イワシから生成)、かつお節オリゴペプチド(かつお節から生成)、ワカメペプチド(ワカメタンパクを分解)、ラクトトリペプチド(発酵乳から生成)、それとコラーゲンペプチドがありますが、これらにはいずれもACE阻害作用があります。ACE阻害薬は病院でよく使用される降圧薬ですが、降圧薬の場合には一般に上の血圧を10mmHg以上(つまり血圧の低下が実感できる程度)下げることができます。これらの食品はそこまで下げないので食品そのものは薬にはなっていません。あと、よく食べるものであれば、リンゴも同じような作用があります。ただし、リンゴは1日1個程度にしておかないと果糖の摂りすぎになります。いろいろなものをまんべんなく食べることが「血管によい」、つまり高血圧、認知症の予防に良いと思ってください。

3.健康寿命を縮めるフレイルとその予防について

フレイル(Frailty=脆弱)は健康寿命延伸のために知っておきたいキーワードです。
 人は、健康な状態から生理的な加齢変化で衰えていき、健康寿命が過ぎると要介護になって、その後に生物学的寿命を終えます。体は弱っているが健康寿命を終える前で、適切な介入により健康に戻ることが可能な状態をフレイルと定義します。
 以前なら、足腰が衰えてきて、物忘れもひどくなってきたと言うと「老化現象でしょうがない」と説明されていました。でも今は、筋肉低下、骨粗鬆症、認知症などの研究が進み、効果のある治療法も出てきています。フレイルという体が衰えた状態を認識し、すぐに手立てを打つことで介護予防をするという考え方になっています。フレイルを啓発して早期介入する介護予防や高齢化対策に乗り出すべきです。
 フレイルには3つの要素(側面)があります。①身体的フレイル(握力の低下、筋力の低下=サルコペニア等)、②精神・心理的フレイル(認知機能障害、うつ等)、③社会的フレイル(独居、閉じこもり等)です。
 身体的フレイルの指標のひとつ「握力」が寿命の指標になるという2015年の報告があります。世界17か国15万人を4年間追跡調査すると、握力が5Kg低下するごとに死亡リスク16%上昇、脳卒中リスク9%上昇、心筋梗塞リスク7%上昇することがわかりました。
 「サルコペニア」とは、加齢に伴う筋肉減少のことを言います。一般的なサルコペニアの目安は、握力は男性25kg未満、女性20kg未満、歩行速度は1.0m/秒以下(日本の場合歩行者用の信号で青信号が点滅するまでに渡りきる速度)とされています。抗加齢・予防医療センターでは、もっと簡単に判定するため、足の太ももの真ん中をCT撮影し、大腿筋(大腿四頭筋と非四頭筋)の筋肉の面積を見ることでサルコペニアを評価します。

もっと簡単にサルコペニアを評価する方法として公民館などの健康診断で測定できるよう、開眼片足立ち検査を用いています。両目を開けて両手を楽にして、左右どちらかの足を上げて60秒以上維持が出来れば問題ありません。抗加齢・予防医療センターのデータでは、大腿筋断面積が少ない(つまりサルコペニア傾向がある)と開眼片足立ち時間が短いという相関を確認できています。

さらに、サルコペニアと肥満の合併で開眼片足立ち時間が更に悪化することも確認できています。足の筋肉が少なくておなかに脂肪がついたイメージは「やじろべえ」を思い浮かべていただくとバランスの不安定さが想像できますよね。

サルコペニア予防のためには、1分間開眼片足立ちを1日3回すると6ヶ月後にはしっかり立ててこけにくくなったというデータがあります。1分間開眼片足立ちトレーニングを行うと骨折・転倒予防になるのでおすすめです。

認知症も含めてフレイルにならないためには、食事療法、運動療法が基本です。食事療法は、良質の“たんぱく質”を摂る(コラーゲンペプチドもそのひとつ)ことと、ビタミン・ミネラルを含むバランスの良い食事を心掛けることです。運動療法は、ストレッチ、スクワット、ウォーキングなどですが、外を歩くことが難しい方は開眼片足立ち運動だけでも行っていただければと思います。ちなみに歩くことはストレッチをするよりも認知症の予防になる(海馬の体積が増える)という報告があります。それから地域活動やサークル活動への参加などで、とにかく“しゃべる”ことです。

話は変わりますが、そもそも「なぜ人間は老化するのか」という老化学説で有力なのはフリーラジカル説です。体内に取り込まれた酸素が不安定な形の活性酸素になって、これが増えすぎると体内のタンパク質、脂質、核酸などと反応して安定になろうとする性質があり、これにより酸化して変性します。活性酸素を除去する抗酸化物質としては、
①α-ヒドロキシ酸(ヒドロキシ酢酸=AHA):パイナップルなど
②ビタミンC:アセロラ、レモンなど
③ビタミンE(トコフェロール、脂溶性ビタミンのため体内に蓄積しやすいので過剰摂取には注意):オリーブオイル、アーモンドなど
④β-カロテン(天然色素カルテノイド=ビタミンAになる):緑黄色野菜
⑤メラトニン(脳の松果腺から分泌される血中ホルモンのひとつ、血中濃度は夜が高く睡眠と関係している):米国ではサプリメントがある。日本では似た内容の薬がある
⑥オリーブオイル(特にエキストラバージンオリーブオイルのポリフェノール効果が高い)
⑦にんにく(アリイン、アリシンなど非常に多くの抗酸化成分がある)
などがあります。

4.コラーゲンペプチドの大いなる可能性

私たちの抗加齢・予防医療センターと新田ゼラチンの共同研究でコラーゲンペプチドの血管若返り作用を確認しています。3ヶ月のコラーゲンペプチド摂取で、動脈硬化度を示す指標の脈波伝搬速度の変化量で血管年齢が平均5歳分若くなりました。 それ以外にも国際的に様々な研究成果の論文が発表されています。

これからも新田ゼラチンとコラーゲンペプチドの共同研究を進め、コラーゲンペプチドが健康寿命を延伸するための新たな栄養素(第7番目の栄養素)として認められるよう活動していきます。

文責:食卓にコラーゲンを♪推進委員会 事務局 小田義高
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