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健康のために

渡邉真由美のヘルスケアレポート

春の不調は「変化ストレス」を減らしてラクに!

年度替わりを迎える春は、何かと「変化」の多い季節。子どもの卒入学、職場の異動や転勤、転居などで、それまでの生活パターンが一変する人も。今年は新型コロナウイルス感染症の問題で、生活上、さらに大きな変化に直面している人も少なくないのではと思います。大きな変化が短期間に集中すると、ストレス過剰になり心身に不調をきたしやすくなります。やりすごしているとつらさを夏以降にひきずってしまうことにもなりかねません。こうした「変化ストレス」のサインと効果的な対処法を、ストレスケアに詳しい医師に伺いました。

環境と気候の変化がストレスとなり、不調を引き起こす

 春は一年のうちでも環境の変化が多い季節。新しい物事がスタートしたり、人間関係が一新したりなど、変化に直面すれば誰でも緊張するものです。この状態があまり長く続くと、自律神経のバランスが乱れて心身に不調をもたらすもとに。
「そういえば最近、耳鳴りがするような」「寝てもだるさがとれない」「イライラして落ち着かない」など、心あたりがある人も多いのではないでしょうか?
加えて春は「三寒四温」という言葉もあるように、気温の変動が大きいことも自律神経に影響します。一般的に自律神経は、気温差が5度以上の変化を繰り返すとバランスを崩しやすくなると言われています。生活環境の変化と気候の変化。春はダブルの「変化ストレス」がのしかかりやすいといえるでしょう。変化ストレスにより心身にあらわれるおもなサインは次の通り。一過性のものならまず心配ありませんが、何日も続いたり繰り返したりするようなら、次項の対処法を実践してみましょう。

<「変化ストレス」のサイン>

  • 体がだるく、疲れがとれない
  • 気が散りやすく、物事に集中できないと感じる
  • ケアレスミスが増えた
  • 人と会ったり、電話に出たりするのが億劫
  • 原因不明の体調不良(頭痛、胃腸の不調、めまいなど)が繰り返し起こる
  • 熟睡できない(寝付きが悪い、途中でよく目が覚める、早朝に覚醒してしまう)
  • イライラしたと思ったらクヨクヨしたりと、感情の波がある
甘い物についつい手が…も要注意

ストレスが蓄積すると、人は甘い物やお酒などの、簡単に得られる快楽に走りやすいことがわかっています。お腹がすいているわけでもないのに無性に食べたくなったり、ついだらだらと手がのび気がついたら沢山食べていたりしたら、ストレス過剰の可能性が高いと言えるでしょう。

対処法1「睡眠、栄養、リラックス」で緊張をゆるめて

変化ストレスによる自律神経の乱れを調整するには「体の疲れをとること」がもっとも重要です。それにはまず十分な睡眠を。体だけでなく脳の疲れもとり、集中力や思考力を回復させます。できれば7時間程度は確保したいもの。布団に入る2~3時間前から、スマホやパソコンに没頭するなどの興奮することは避け、照明を暗めにして、心身を「寝るモード」にシフトさせることが、ぐっすりと深い眠りを得るポイントです。
栄養バランスの良い食事も疲労回復を助けます。特に肉や魚などの動物性タンパク質には、イミダゾールジペプチド、タウリン、カルチニン、鉄分といったいわゆる疲労回復物質が豊富に含まれるので、意識して摂りましょう。緑黄色野菜でビタミンを補うことも大切です。なお、極端なダイエットや糖質制限は、イライラして余計にストレスを溜めこみやすいので避けましょう。
忙しい現代人は日中、長時間の緊張を強いられています。だからこそプライベートでは意識して“ゆるめる”時間をつくりたいもの。寝ながら音楽、好きな映画、外をながめてぼんやり……自分が楽しめてリラックスできることなら何でも構いません。

息抜きにゲームはNG

気分転換になるからといっても、スマホやパソコン等のゲームに興じたり、SNSで人とのコミュニケーションを活発にとったりするのは、脳への刺激となり却って緊張を高めることになってしまいます。映画もホラー等あまりドキドキするものはリラックスを妨げます。“ゆるめる”時間には、緊張がほぐれのんびりできることを選ぶのがベターです。

対処法2 無理な変化を避けて、ストレスをためない

環境の変化や、新しいことに取り組むこと自体は、自身の成長にもつながり良いことなのですが、変化ストレスを感じているときには優先順位をつけて、たくさんの変化を集中させないことが不調の予防策になります。
例えば、春になり暖かくなるとダイエットに挑戦したくなったり、新年度だからと習い事を始めたくなったり、心機一転とばかりに新しいことに取り組みたくなるものですが、本人にとっては楽しいことややりがいがあることでも、心身にはストレスがかかり負担になりがちです。一度にあれもこれもではなく、無理のない範囲でスタートさせるのが得策です。自分は普段からストレスに弱いな、と感じている人は、春は敢えて避け、もう少し時期がたってからの方がスムーズに始動できるかも知れません。
また、家事や近所づきあいなど、日常生活で上手に手抜きをすることも時には大切です。疲れていないときには楽しいと思えることでも、疲れているとさらに疲れやストレスを上乗せしてしまうからです。

対処法3 イライラには「深呼吸」を

イライラがおさまらず、リラックスのために時間を割けないときは、その場で深呼吸を。
マインドフルネスを取り入れた腹式呼吸がおすすめです。イライラやクヨクヨは、おもに過去を悔やんだり未来を不安がったりすることで起こる感情なので、“今、ここ”に意識を向け、ありのままを受け入れることが、負の感情を和らげる助けになります。お腹がふくらむ感じや呼吸の音などを意識することがポイントです。

<イライラを1分で解消! その場でできる「マインドフルネスを取り入れた腹式呼吸」>
  1. 両足を程よく開き、安定して立ちます。
  2. おへそから下腹にかけて両手のひらを当てます。
  3. 手のひらでお腹がへこんでいくのをじっくり感じとりながら、しっかりと息を吐き出します。
  4. おへそを中心に大きくお腹をふくらませながらゆっくりと息を鼻から吸い込みます。
    ①~④のポイント:
    ・まず息をしっかり吐き出したら、おへそを中心にお腹をふくらませながらゆっくり息を吸います。
    ・息を吸い込むときも、お腹がぷぅーっとふくらんでいくのを手のひらで感じます。
  5. お腹がふくらみきったら一時停止。今度はゆっくりとできるだけ長く口から息を吐き出します。
    このときも、お腹がへこんでいくのを手のひらで感じます。
  6. ③~⑤を3回以上繰り返しましょう。

マインドフルネスを取り入れた腹式呼吸は、目覚めたときに熟睡感がなく、不安や焦りを感じる緊張気味の朝などにもおすすめです。

※なお、心身の不調が長引き、すでに仕事や生活に支障が出て困っている場合は、体の不調に該当する診療科を(頭痛→脳神経科や頭痛外来、胃腸症状→消化器科など)、心の不調は精神科や心療内科を受診しましょう。

奥田弘美 先生

お話しを伺った方
精神科医(精神保健指定医)・産業医(労働衛生コンサルタント)・作家 【奥田弘美 先生】

山口大学医学部卒。精神科医および都内18カ所の産業医として日々多くの働く人のメンタルケア・ヘルスケアに関わっている。『1分間どこでもマインドフルネス』(日本能率協会マネジメントセンター)など著書多数。日本マインドフルネス普及協会を立ち上げ、日本人にあったマインドフルネス瞑想の普及にも力を入れている。

渡邉真由美 わたなべ まゆみ

プロフィール

健康予防管理専門士。
健康・美容・医学ライター、日本メディカルライター協会会員。

「ミドル~シニア世代のQOL向上」をメインテーマに、書籍、雑誌、WEB等の企画構成、取材、執筆を数多く行っている。

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