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健康のために

渡邉真由美のヘルスケアレポート

2019年 2月 更新風邪やインフルエンザ、治った後もご用心 長引く「居残り咳」は「ぜんそく」の入り口!?

まだまだ寒い2~3月、風邪やインフルエンザに要警戒の時期ですが、治った後も油断は禁物。「咳だけいつまでも残って……」という人はいませんか?
咳が長引く場合、放置すると命にも関わる「ぜんそく」を起こしかけている恐れが。花粉症やハウスダスト、ダニ等がきっかけになる咳も同様です。そのメカニズムと予防策について、TVでおなじみの呼吸器の専門医に話を伺いました。

長引く「居残り咳」は風邪にあらず。ぜんそくの一歩手前!

風邪やインフルエンザの後に咳だけ止まらず、喋ったり、冷気を吸ったりといったわずかな刺激でも激しく咳込む……こんな経験はありませんか?

これを、そのうち治まるだろうと放っておくのは禁物です。なぜならこのときすでに、空気の通り道である気道が、「咳ぜんそく」というぜんそくの一歩手前の状態になりかけている恐れがあるからです。

咳ぜんそくは、風邪やインフルエンザのために炎症を起こした気道が過敏になり、わずかな刺激に反応して咳が出てしまうアレルギーの一種。症状には、長引く「居残り咳」(目安として2週間以上)とともに、下のような特徴があります。

咳ぜんそくの特徴

  • 冷気を吸い込むと咳が出る
  • 就寝時(寝入りばな、明け方)に咳が出る
  • 会話したり笑ったりしたとき咳が出る
  • 温かい汁物や入浴時の湯気を吸い込むと咳が出る
  • 電車に乗ったときに咳が出る
  • 香水など香りのするものをかいだとき咳が出る
  • ひとたび咳き込むと止まらなくなる
  • 過去に同じような咳が続いたことがある
ぜんそくは大人もかかる!

ぜんそくといえば小児ぜんそく=子どもだけがかかると勘違いされがちですが、大人も発症します。小児ぜんそくと同様、激しい咳とともに喘鳴(ぜんめい。ゼイゼイ、ヒューヒューいうこと)が起こり呼吸困難に陥ります。重症になると肺機能の低下が進み、命に関わります。

この一歩手前が、長引く「居残り咳」を主症状とする咳ぜんそくなのです。

咳ぜんそくのうちに治療を!本格的なぜんそくに移行すると、完治は困難

咳ぜんそくは成人の1-2割がかかっているとも言われており、特に花粉症などのアレルギー疾患があると発症リスクが高くなります。

おもな発症要因には寒暖差や低気圧といった外部環境、ストレスや疲労による免疫力の低下、喫煙などが挙げられますが、中でも注意すべきは「風邪やインフルエンザにかかった後」です。

咳ぜんそくのうちに適切な治療をすれば、気道はもとの健康な状態への回復が可能ですが、放っておくと3割は本格的なぜんそくに移行し、完治が困難とされています。

上の<咳ぜんそくの特徴>に一つでも当てはまったら、早めに受診しましょう。中には、咳ぜんそくではなく、菌による感染症の可能性もあるので、まずは正確な診断を受けることが大切です。

そのためにも、呼吸器の専門医または指導医がいる医療機関の受診が望まれます。日本呼吸器学会のHPで検索が可能です。

日本呼吸器学会「専門医一覧」:http://www.jrs.or.jp/modules/senmoni/


あせもは、汗管のつまりによってできる。

咳ぜんそくになると気道の内側の粘膜が炎症を起こし、わずかな刺激でも咳が出る。気道の内腔も健康な状態より狭くなっている。悪化しぜんそくになると、さらに炎症が進み気道が狭くなって、呼吸が苦しくなる。

咳ぜんそくに市販の咳止め薬はNG!

咳が出るからと市販の咳止め薬や風邪薬で対処しようとすると、かえって悪化する場合があります。痰を出すために咳がでます。咳止めの成分で痰が絡むようになりますから、咳止めはお勧めできません。医療機関では炎症を止めて、過敏性を抑えたりする薬等で治療します。

咳ぜんそく予防のために日常生活でできること

咳ぜんそくを起こさないためには、その引き金となる風邪やインフルエンザにかからないことが肝要です。日常生活では次のことに気をつけると予防に役立ちます。

インフルエンザウイルスはつるつるした場所が好き!?

インフルエンザウイルスの活性は、衣服では約15分で低下するのに対し、金属では約24時間も持続するとの研究報告が。ドアノブ、スマホ、電車やバスの手すりなど、日常生活でよく触る場所はこまめな消毒が予防に役立ちます。

もちろん、どこを触ってもウイルス付着の可能性は十分ありますので、手洗いが予防の基本であることはいうまでもありません。

のどを乾燥させない

のどの粘膜は細かい線毛に覆われており、病原菌などの異物を外へ出す役割を担っています。この線毛は乾燥により働きが低下してしまうので、こまめな水分補給やのど飴等で常にうるおしておくことが肝要です。

口の中を清潔にしておくことも感染予防に効果的。高齢者を対象にした調査で、口腔ケアをしている群はしていない群に比べインフルエンザの発症率を10分の1に抑えられたという報告もあります。

なお、部屋の湿度は50-60%が最適。あまり高いとカビやダニの温床になりやすい上、必ずしも湿度が高いほどウイルス感染力が弱まるわけではないということも、近年わかってきています。

マスクは「外し方」にコツが

密着度やフィルターの細かさなど、どんなに高機能を追求しても、使い方に無頓着では予防効果が見込めません。一日の中で同じマスクをつけ外しする際、フィルターについたウイルスが手に付着すると感染のもとに。誰もがやりがちなNGポイントは次の通りです。

【×】外すときに、口周りを覆うフィルター部分を触る

→【○】耳にかけているゴム部分を触って外す

【×】マスクを外した後の手をそのままにしている

→【○】すぐ手を洗う

【×】マスクをつけている最中、フィルターを触ってしまう

→【○】触らない

【×】一時的に外したマスクを、カバンやポケットに入れる

→【○】外したら捨てて新しいものに取り替える

エアコンの掃除を!

咳ぜんそくは冬だけのものではありません。特に夏、エアコンを使い始めると咳が出やすくなる、という人は要注意。エアコンのフィルターにたまったホコリやカビが原因になっていることもあるからです。エアコンは定期的に掃除をして清潔に保ちましょう。

なお、部屋の空気を清潔にするという意味では、空気清浄器も有用です。ダニの死がいによって秋口に咳ぜんそくを発症するケースが多くみられるため、ハウスダスト対策として部屋の掃除とともに空気清浄器の活用がすすめられます。

大谷義夫院長

お話しを伺った方 池袋大谷クリニック院長
大谷 義夫(おおたに よしお)

医学博士、日本呼吸器学会専門医・指導医、日本アレルギー学会専門医・指導医、日本内科学会総合内科専門医。群馬大学医学部卒業後、九段坂病院内科医長、東京医科歯科大学呼吸器内科兼任睡眠制御学講座准教授、米国ミシガン大学留学等を経て2009年より現職。

『長引くセキはカゼではない』(KADOKAWA)、『長生きしたければのどを鍛えなさい』(SB新書)等、著書多数。メディア出演も多く、呼吸器内科のスペシャリストとして知られている。

参考書籍:『長引くセキはカゼではない』(大谷義夫著 KADOKAWA

長引く「居残り咳」の大半を占める「咳ぜんそく」のほか、「肺炎」や「COPD」など、患者数が増えているとされる疾患について解説。

長引くセキはカゼではない

渡邉真由美 わたなべ まゆみ

プロフィール

健康予防管理専門士。
健康・美容・医学ライター、日本メディカルライター協会会員。

「ミドル~シニア世代のQOL向上」をメインテーマに、書籍、雑誌、WEB等の企画構成、取材、執筆を数多く行っている。

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