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渡邉真由美のヘルスケアレポート

2018年 6月 更新乾燥肌ほど危ない!? 洗い過ぎはNG!? 夏に不快な「あせも」、正しい知識でケアを!

今年の夏も猛暑になる見込みと言われています。皮膚にとっては紫外線とともに、汗によるあせも(汗疹)も気になるところ。かゆみや痛み、赤いボツボツといった症状は、不快指数を一気に上げてしまいます。特に気をつけたいあせもの要因やケアについてまとめました。

あせもは乾燥肌ほど要注意!

あせもは暑い夏、汗でべたべたした肌にできるもの……そんなイメージから意外に思われるかも知れませんが、あせもは実は、乾燥肌ほど要注意です。

汗は皮膚の汗腺という細い管から分泌されます。あせもはこの管の詰まりが原因。汗がたまることで炎症が起こり、皮膚に小さな水ぶくれや赤いボツボツができるのです。汗をよくかく首の周りや脇などに多いため、一見「乾燥」とは無縁に思えます。なぜ乾燥が良くないのでしょうか。

よく知られている通り、皮膚からは汗のほか、皮脂も皮脂腺という管から分泌されています。これが皮脂膜という薄い膜をつくり、バリア機能を担っています。外部からのさまざまな刺激から皮膚を守るとともに、皮膚の水分が必要以上に逃げていかないよう保っているのです。

乾燥は、このバリア機能が低下した状態です。皮膚表面のうるおいが不足して刺激を受けやすくなってしまっています。

汗は通常、皮膚にやさしい弱酸性ですが、大量の汗をかくと皮膚にとって刺激となるアルカリ性になります。皮膚が乾燥しているとなおさら皮膚が水分を欲することもあり、かいた汗が皮膚表面に吸着しやすくなるのです。

アルカリ性の汗が皮膚に長くとどまると刺激になります。それにより炎症を起こしてあせもになってしまうというわけです。

あせもが乳幼児に多いのは、体温が高く汗をかきやすいからだけではなく、皮膚のバリア機能が未成熟で乾燥しやすいことも一因といえます。大人も同じで、乾燥肌の人ほど用心すべきなのです。ふだん乾燥肌ではないという人も要注意。夏は冷房や日焼けの影響で、水分不足に陥りがちです。


あせもは、汗管のつまりによってできる。

あせもは、汗管のつまりによってできる。

洗い過ぎると、悪化のもとに

あせも(汗疹)は、汗管の詰まる部位および症状の程度により大きく3つに分けられます。

水晶様汗疹(すいしょうようかんしん)

穴の出口が詰まって起こる軽度の汗疹。小さな水滴のように見えるポツポツで、赤ちゃんの鼻の頭にできることの多い汗疹です。皮膚表面をやさしく洗い流すことでほとんどの場合よくなります。

紅色汗疹(こうしょくかんしん)

表皮内の汗管が詰まって起こる中程度の汗疹。一般的に言われる汗疹はこの状態を指します。赤いポツポツができて、かゆみや痛みをともなうことも。毛穴に炎症が起こっている状態なので、むやみにさわるのはNG。赤みや不快な症状が拡がり、掻きこわすなどで傷がつけば細菌感染の恐れも。多くの場合、皮膚を清潔にしていれば数日~10日程度でおさまってきますが、1カ月以上に及んだり、何度も繰り返したら皮膚科で薬による治療や保湿の指導を。

深在性汗疹(しんざいせいかんしん)

真皮(表皮の下にある皮膚組織)内の汗管が詰まる重度の汗疹。紅色汗疹が長引いたり繰り返したりして起こります。多くの場合、皮膚表面が角化といって硬くなり、扁平なボツボツ(丘疹)がみられます。皮膚科で炎症を抑える治療や、化膿している場合は抗生剤による治療を。

いずれも家庭では、皮膚表面の汗をすみやかにとり、清潔に保つことが早い改善のポイントですが、ここで注意したいのは「洗い過ぎないこと」。キレイにしなければ!とゴシゴシこすったり、洗浄力の強い石鹸で何度も洗ったりすると、皮膚表面を保護している皮脂などの、必要なうるおいまで取り去ってしまいます。

そうなると、先述の通り皮膚表面が弱酸性に保たれなくなる上、乾燥しやすくなるため、アルカリ性の汗が皮膚にしみやすく刺激となり、ふたたびあせもの原因をつくってしまうというわけです。冷たいタオルで汗をぬぐうのも一手ですが、こするとトラブルのもとに。

あせも予防には、実は「あおぐ」のが効果的。つまり皮膚表面にたまった汗を、皮膚を刺激することなくとばし、かつ体温を下げて汗をかかないようにするのです。皮膚にやさしい汗疹予防といえます。昔は風通しのよい縁側に座って、団扇であおぐといった光景がみられたものでしたが、先人は経験的にこうした予防策を身につけていたのかも知れません。

保湿はしっかり。でも「しみる」ものは避けて

あせもは乾燥につけこむので、汗を洗い流した後はしっかり保湿を。夏はつけると清涼感のあるタイプの化粧水や乳液が好まれますが、こうした感触のものの中にはあせもで荒れた肌に刺激を与えてしまうものも。あまりスースーしたり、じんじんしたり、しみるような感触の保湿剤は避ける方が無難です。

大人のあせもは「衣服のムレ」にご用心

特に女性に多く見られるのが、「きつい服」によるあせも。例えばサポート力の高いアンダーウエアを常用していたら、締め付けられていた部分の皮膚が赤くなってしまった経験のある人は多いのではないでしょうか。

きつい服の下にたまった汗はムレて熱をもつため、体温がますます上がり、それによりまた汗をかく、という悪循環に。皮膚表面はたまった汗でアルカリ性に傾き、あせもができやすくなってしまいます。

さらに、布地でこすられたりする刺激で炎症が拡がるなど、長引く恐れも。あせもに限りませんが皮膚に異常が出たら、原因と思われる服の着用は控えることが第一です。

ほかに湿布や絆創膏、サポーターも原因となりうるので、気をつけましょう。

参照:

日本皮膚科学会「皮膚科Q&A」https://www.dermatol.or.jp/qa/index.html
『あたらしい皮膚科学』第二版

渡邉真由美 わたなべ まゆみ

プロフィール

健康予防管理専門士。
健康・美容・医学ライター、日本メディカルライター協会会員。

「ミドル~シニア世代のQOL向上」をメインテーマに、書籍、雑誌、WEB等の企画構成、取材、執筆を数多く行っている。

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