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健康のために

渡邉真由美のヘルスケアレポート

2018年 2月 更新つらくない、挫折しない糖質制限。良質な糖質を必要な量摂る「糖質“制御”」で ポジティブ健康美人に!

昨今はやりの「糖質制限」。ダイエットに、美容にと取り組んでいる人も多いのでは?でも、やみくもに糖質を避ける方法は、ストレスがたまる上、体に必要なエネルギーまで不足するリスクがあるため、健康や美容にとってよくありません。
日々の食事の中で糖質と上手につきあい、摂り過ぎを防ぐ「糖質制御」の考え方と実践例を、糖尿病専門医に伺いました。

半年で10kgやせた私の経験から

「糖質摂りさえしなければよい、といった糖質制限のやり方は、かえって健康に良くない」と話すのは、メディカルプラザ小岩駅(東京都江戸川区)で糖尿病専門医として糖尿病ほか生活習慣病の診療を行っている竹内雄一郎院長。以下、ご自身の体験を話していただきました。

  • 実は今でこそ身長178㎝、体重70㎏台ですが、研修医時代は90㎏を超えたこともあった肥満体型でした。原因は日々の忙しさによる食生活の乱れ。朝は通勤途中の車でジャムパンをかじり、昼は病院の食堂ですぐに食べられるカレーやどんぶりもの。そして夜遅くに外食をして帰宅し、すぐ寝てしまう、そんな生活の繰り返しでした。
  • しかしメディカルプラザ小岩駅の院長に就任した2012年、この体型では患者さんへの説得力がないと減量を決意。そのころ糖質制限が話題にされはじめたこともあり、徹底した主食抜き、糖分抜きに取り組んでみましたが、これが裏目に。
  • ご飯の代わりに油揚げ、昼はサラダとナッツのみ、夜は焼き魚に豆腐といったメニューだったのですが、診療中に思考力や判断力が鈍るなど、頭が回らなくなってしまったのです。これはいけない、と思い半年でやめました。
  • それからは主食に玄米を食べるようにし、おかずは野菜中心の和食、調理に使う油の量を控えるようにしたところ、1週間でふたたび頭がさえるようになり、体も軽くなりました。私の場合はこれに運動(日に1時間強のウォーキングやボクシングなど)も取り入れ、半年で10㎏の減量に成功したのです。
  • この経験から食生活に関して得られたことは、むやみな糖質制限は体にいいものではなく、あくまでも体に必要な分、質の良い糖質を摂る、という「糖質制御」の考え方が健康にいい、ということです。
  • なお、あまり知られていませんが、脂質の摂り過ぎも肥満を招き、それが血糖値を上げるもとになるので、糖質だけではなく、脂質も含めた摂取エネルギー(カロリー)にも目を向けるべきです。

※体に必要な糖質(炭水化物やアルコールも含む)は、厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015年版)」によると一日に必要なエネルギーの5~6.5割が望ましいとされています。必要なエネルギー量は年齢や体格、活動量によって異なります。活動量が中くらいで標準体型の30~40代女性の場合、推定エネルギー必要量は2000kcal/日となります。日本人の食事摂取基準(2015年版)の概要:http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000041955.pdf(PDFファイル)

ケトン体に頼るのはNG

ケトン体とは、体内のエネルギー源として脂肪が燃焼した際に、肝臓でつくられる物質です。近年、このケトン体が、脳のエネルギー源として使われることがわかってきました。

これを根拠に、極端な糖質制限をして脳へのブドウ糖の供給が不足しても脳の活動に影響は出ないと主張する識者がいますが、私は立場を異とします。

ケトン体が脳のエネルギーとして使われることは事実ですが、あくまでも脳の主たるエネルギーはブドウ糖であり、ケトン体は非常用にすぎません。もしケトン体が脳にとってブドウ糖よりすぐれたエネルギー源なら、最初からケトン体が主たるエネルギー源になっていたはずです。

私自身、極端な糖質制限を実行した結果、頭が回らなくなってしまったのは先に述べた通りです。

ちょっとの見直しでできる糖質制御のポイント4

それでは、糖質制御するには具体的に、食生活のどんな点に気をつけると良いのでしょうか。著書『超ポジティブ糖尿病ライフ』から、糖尿病ではない人にも参考になるポイントを紹介していただきました。

“トッピング癖”を断つ!

  • ピザやカレー、そば、うどん、アイスやクレープなど、手軽な外食にもはや定番となっているのがトッピング。追加せずにはいられない「トッピング癖」、ついていませんか?
  • トッピングは、食べるとき最初に口に入りますから、味が濃くインパクトがあり、食欲をそそるものが多いもの。食事なら麺類にしてもカレーにしても、高カロリーの揚げ物がズラリ。デザートも、メインに寒天やヨーグルトなどのヘルシーなものを選んでも、甘いチョコやクリーム、果物をトッピングすれば糖質過剰に。あくまでもメインそのものを味わうつもりで、油っこいものや甘いもののトッピングは控えましょう。

スナック菓子とカレーの誘惑をかわす!

  • 「やめられない、止められない」代表格がスナック菓子とカレー。糖質に油、さらにうまみ成分(アミノ酸など)が加わると、いわゆる“あとをひく”味覚になり、空腹でもないのに食べたい欲求を刺激し続けてしまいます。しかしいずれも糖質(炭水化物)が多く、特にカレーはルー自体の主原料が小麦粉なのに、カレーライス、カレーうどん、カレーパンといったように炭水化物同士の組み合わせになりやすいので要注意。
  • どうしてもスナック菓子が食べたくなったら、アーモンドなどのナッツ類を一粒、30回くらいじっくり噛んで食べましょう。そうしているうちに食べたい衝動がおさまってきます。また、カレーではなく「カレー粉」の活用を。焼いた肉や野菜にふりかけるなどしてカレー風味にすると、ある程度は食べたい欲求にこたえられるでしょう。

「一見、健康志向」にご用心!

  • 昔から先人の知恵で、体に良いといわれている食材はいろいろあります。例えば「梅」はビタミンCが豊富で疲れがとれる、美容に良いなどとよくいわれていますが、では「梅酒」になるとどうでしょう。
  • 梅酒には多量の砂糖が入っています。梅がどんなに健康志向だとしても、それを言い訳に梅酒を毎日のように飲んでいては糖質の過剰摂取に。
  • 最近では「塩飴」のような、塩分やミネラル等の補給をうたうお菓子も人気ですが、頻繁に口にすれば、糖質の摂り過ぎになりかねません。塩分なら、大量の汗をかいても、麦茶+せいぜい少量のお漬物で十分、補えます。

糖質の「質」を選ぼう

  • やみくもに甘いものを制限するとつらくなってしまいます。当院でも、糖尿病の治療等で食事指導をする際、あくまで個々人の状況に合わせてですが、甘いものはすべてだめ、ではなく、摂るなら質を選んで、とアドバイスしています。
  • 上白糖などの精製された糖は、いってみれば甘味だけを一点集中的に追求しているもので、味覚への刺激が強く、依存性を生み出しやすくなります。飲料によく含まれている果糖ブドウ糖液糖もそうした精製された糖の一種です。これらは体内への吸収も早いため、血糖値が上がりやすいですし、果糖は中性脂肪になりやすいことも知られています。
  • これらに対し、黒砂糖はミネラルも含んでおり、カロリーも上白糖よりは控えめ。糖質には変わりないので黒砂糖ならたくさん摂っていい、ということではありませんが、どうしても甘いものが食べたいときには黒砂糖を選ぶのが、体にとってはより優しいといえます。

なお、これらの基本にあるのは「三食食べる」「朝食を食べる」「夜は軽めに」の、健康的な食事の大原則。ゆっくりよくかんで食べることも、過剰な糖質摂取を予防する良策です。

※現在、糖尿病の治療を受けている人は、主治医と相談の上、病状に合った食事指導を受けてください。

外食を“害食”にしないために

昔はレストランといえば、家族の記念日にそろってオシャレをしていくような場所でした。外食=「ハレ」の日というイメージがあったものですが、今は違います。一口に外食と言っても、種類も価格帯も幅広く、昼はそば屋、夜はファミレス、などと、外食が毎日のことになってしまっている人もいます。これは外食産業が発達した結果でもあり、ここで健康にとって外食=悪、などと言うつもりはありません。

ただ、糖質の摂り過ぎを気にする人にとっては、外食を頻繁に利用することで過剰摂取や、カロリーオーバーになる場合がありますので、上手につきあいたいもの。

例えば、外食メニューの定番といえる「どんぶりもの」は、ご飯の量が多く、味付けも砂糖が多く使われた甘辛いものが多いので、糖分の摂り過ぎにつながります。大盛りの牛丼に含まれる砂糖は27g程度といわれており、WHO(世界保健機関)が提唱している成人の一日の砂糖摂取量の上限25gを軽く超えてしまいます。

また、外食メニューで多いのが「ラーメン&チャーハン」「うどん&稲荷ずし」といった炭水化物のWセット。油分も多くなりがちです。

同じセットものなら、和定食をおすすめします。焼き魚や野菜の煮物、お浸しなど、炭水化物や油分が控えめなおかずが多品目入っていれば彩りもよく、味や食感もバリエーションがあって満腹感が得られやすいでしょう。

竹内雄一郎先生

お話しを伺った方 メディカルプラザ小岩駅院長
竹内 雄一郎先生

日本糖尿病学会糖尿病専門医。信州大学医学部卒業後、同附属病院、社会福祉法人仁生社江戸川病院等で11年間、糖尿病治療に従事。2012年に糖尿病外来を中心とした生活習慣病専門クリニックのメディカルプラザ小岩駅を開設。患者一人ひとりの生活習慣やライフスタイルに合わせ、病気にポジティブに向き合える医療の提供を目指し、日々診療に取り組んでいる。

著書『超ポジティブ糖尿病ライフ』(幻冬舎)で、我慢や節制に追われない超前向きな食事、運動による肉体改造論を展開。

超ポジティブ糖尿病ライフ

渡邉真由美 わたなべ まゆみ

プロフィール

健康予防管理専門士。
健康・美容・医学ライター、日本メディカルライター協会会員。

「ミドル~シニア世代のQOL向上」をメインテーマに、書籍、雑誌、WEB等の企画構成、取材、執筆を数多く行っている。

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