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健康のために

渡邉真由美のヘルスケアレポート

2017年 8月 更新夏のレジャーを脅かす「食中毒」こうして予防を!

夏休みのアウトドアレジャーや旅行で気をつけたいのが「食中毒」。
キャンプでのバーベキュー、釣りで持ち帰った魚、菜園で収穫した野菜などつい無警戒で口にすると、思わぬ健康被害に見舞われることも。
食べる前にチェックすべきポイントと、予防法をまとめました。

今年、大流行のアニサキス症。冷凍or加熱で感染予防を

アニサキスは魚介類についている寄生虫。体内に入ると胃や腸壁を傷つけ、嘔吐や激しい腹痛などの症状を引き起こすことがあります。
魚介類を多く食す日本ではもともと古くからあった食中毒ですが、2012年の食品衛生法改正により届出が義務付けられたこともあり、ここ5年で約4倍になるなど急増。国立感染症研究所の推計では年間約7000人ともいわれています。

症状の程度には幅があり、緩和型といって症状が軽く、数日程度で自然におさまる場合もありますが、劇症型と呼ばれる重い症状の場合は、胃に幼虫が感染していれば内視鏡を用いて取り出したり、腸に幼虫が感染して重症化し、腸閉塞を引き起こすと手術が必要になったりする場合も。
夏休みシーズンは旅先などで海の幸を食べる機会も多く、注意が必要です。

感染源となる魚は160種以上に及びますが、とりわけ多いのがサバ。また、アジやイワシ、イカ、サンマ、カツオ、サケも多いと言われています。
食中毒の発生は夏に多いイメージを持たれがちですが、アニサキスの場合、魚の旬は四季にわたるため、夏以外も用心すべきです。
一方、同じ魚種であっても、アニサキスの寄生率は個々の魚によってばらつきがあるため、集団発生はあまりないのが特徴です。

アニサキスはまず内臓に寄生し、身(筋肉)に移動します。体長2㎝程度の糸のような形をしているので、もし見つけたら取り除きましょう。また、例え新鮮な魚でも内臓の生食は避けること。
そして、マイナス20℃以下での保存ないし60℃以上(1分以上)での加熱で死滅するので、いずれかの処理を行ってから調理することが予防になります。

海外では冷凍保存を義務付けたり勧告したりしているところも多数あります。

タコ(胼胝)、魚の目(鶏眼)、イボ(ウイルス性疣贅)

アニサキスにはアレルギーもある

アニサキスといえば食中毒のイメージが強いのですが、実はアレルギーもあります。
おもな症状は蕁麻疹。治療法は食中毒のように胃から幼虫を取り出すのではなく、他のアレルギー治療でも使われる抗アレルギー剤などの薬物が有効とされています。
サバやサンマなどの魚類を食べた後にもし蕁麻疹が出たら、アニサキスアレルギーの可能性があります。皮膚科やアレルギー科を速やかに受診することが大切です。

新型も登場したノロウイルス。夏でも感染に注意

魚介類の食中毒といえばノロウイルスも有名です。
ノロウイルスは低温、低湿度で繁殖し、生食用のカキからの感染が多いことから「冬の食中毒」として知られていますが、夏ならかからない、というわけではありません。
夏の地域イベントやバーベキューで集団感染した症例もあります。また、刻み海苔が原因で集団感染したニュースは記憶に新しいところであり、外食産業や食品加工業の衛生管理のありかたも問題となっています。
さらに近年、新型のノロウイルスも発見されており、今後も遺伝子が変異した新型が発生する可能性があります。特に乳幼児や高齢者、病気の人は感染しやすく重症化しやすいので、季節を問わず警戒すべきでしょう。

ノロウイルスは一般的なアルコール消毒は効果がないため、手洗いやうがいを徹底してウイルスの付着や口からの侵入をシャットアウト
旅先で外食したり、お弁当を買ったりするときにも、衛生面で安心できるところを選ぶなど、自衛が大切です。

清潔にして、加熱調理を。食中毒予防の基本

アニサキスやノロウイルスの他にも、食中毒の原因となる菌やウイルスにはさまざまなものがあります。
菌の場合は食品に菌をつけないことが基本中の基本。キャンプなど、アウトドアで調理する際には手洗いを十分に行うほか、生の肉や野菜を切った後の包丁やまな板もその都度キレイに。食器も、調理前の食材を一時的に入れたものを洗わずに、調理済みのものを盛り付けたりすると感染の元になるので、盛り付け前に必ず洗いましょう。

また、調理前の食材は低温で保存し、できるだけ早く調理すること。ほとんどの菌やウイルスは加熱で死滅しますので、食材だけでなく先に挙げたふきんや調理器具、食器なども熱湯消毒すると感染を防ぐのに有効です。
せっかくの夏休み。食中毒には十分気をつけて、楽しい想い出をつくりましょう。

タコ(胼胝)、魚の目(鶏眼)、イボ(ウイルス性疣贅)

参照:わが国におけるアニサキス症とアニサキス属幼線虫
   (Ann.Rep.Tokyo Metr.Inst.Pub.Health,62,13-24,2011)
   国立感染症研究所ホームページ
http://www.niid.go.jp/niid/ja/index/392-encyclopedia/314-anisakis-intro.html

渡邉真由美 わたなべ まゆみ

プロフィール

健康予防管理専門士。
健康・美容・医学ライター、日本メディカルライター協会会員。

「ミドル~シニア世代のQOL向上」をメインテーマに、書籍、雑誌、WEB等の企画構成、取材、執筆を数多く行っている。

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