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健康のために

渡邉真由美のヘルスケアレポート

2015年 2月 更新免疫を鍛えて花粉症に克つ!

春めいてくると、花粉症に悩まされている人にとっては辛いシーズンの到来です。
対策は、花粉を寄せ付けないことが第一ですが、身体の、花粉への過剰な反応をコントロールできるよう、免疫を鍛えることも大切。
昨秋には、免疫のしくみを応用した新しい治療法も登場しています。

2015年春の飛散量は関東~東北で前年比2~3倍との予測も

日本人の4分の1以上が、何らかの症状に悩まされていると言われる花粉症
アレルギー疾患の一つで、花粉のもつタンパク質に対して、身体の免疫がそれを追い出そうと過剰に反応するために起こる炎症です。

日本気象協会が1月中旬に発表した、2015年シーズンのスギ花粉飛散予測によると、飛散開始時期は例年よりやや早く、2月上旬には九州、四国、東海地方でシーズンイン。
その後西日本、東日本、北陸、東北へとエリアが広がっていく見込みです。西日本と東日本は例年より早く、北日本は例年並み。花粉の数は関東、北陸、東北地方で前年の2〜3倍との予測も出ており、早めの対策が望まれます。

花粉前線画像

※参照:日本気象協会 1月14日付ニュースリリース
2015年春の花粉飛散予測(第3報)
予測は随時更新されますので、最新情報は上記サイト等から各自でご確認ください。

大気汚染や食生活の変化が花粉症を増やす要因に?

花粉症画像

花粉症の中でも代表格のスギ花粉症は、1970年代半ば以降から患者数が増え始めました。
これは、戦後の経済復興を目的に、国がスギの植林を積極的に進めたことが要因と言う説もありますが、そう単純に結論づけられません。
車の排気ガス(ディーゼル)が花粉症の発症を促すことを証明した研究結果も出ていますし、一方で、食生活の欧米化により動物性脂肪を多く摂るようになったことで、花粉症も含めたアレルギー反応が身体の中で起こりやすくなることもわかってきています。

花粉症対策は、花粉を寄せ付けないことが第一ですが、生活習慣の見直しなどで、免疫の過剰な炎症反応をできるだけ抑えるようにすることも大切です。

症状を軽くする生活習慣とは?

花粉症の発症や重症化の要因はさまざまで、複数の要因が複雑に絡み合っているため未だ明確になっていません。しかし、身体の炎症反応を抑えるのに役立つとされるいくつかの研究報告があります。
手軽に取り組めるものを紹介しましょう。

入浴で免疫バランスをとる

体に熱が加わると、細胞はそれをストレスと認識し、防御するための特殊なプロテイン「ヒートショックプロテイン(HSP)」を産生します。HSPは細胞の修復作用新陳代謝の促進のほか、アレルギーを引き起こす物質(例えば花粉)への過剰反応を抑えるよう免疫機構のバランスを整える作用も期待されています。

入浴と花粉症の症状低減との直接の相関を示すデータはまだないものの、こうしたHSPの諸作用を考えれば実践する価値はアリ。HSPは体の臓器や器官内の温度を指す深部体温が38℃程度のとき、約3割産生量が多くなることがわかっています。入浴で深部体温を38℃まで上げるには、40℃の湯温で15〜20分間を目安に、湯船につかりましょう。

腸管免疫に注目

身体の免疫を担っているのは主に白血球中にある免疫細胞。皮膚など身体の表層に常駐している細胞もありますが、多くは血流にのり全身を巡っています。

臓器別でみると、免疫細胞が多く存在しているのが「腸」で、全身の6割以上の免疫細胞が集中していると言われています。これを「腸管免疫」といいます。ここ数年、腸を健康にすると花粉症に良いと言われていますが、それは腸管免疫の働きが、全身の免疫力に影響することがわかってきたからです。

腸管免疫を高める基本は、何といっても便秘をしないこと。便秘をすると不要物が長く体内に滞留するため、腸に悪影響をもたらす(悪玉菌)毒素(インドールなど)が増え、免疫細胞を消耗させてしまいます。

便秘対策の基本

  • 発酵食品を食べる(ヨーグルト、キムチ、ぬか漬け、納豆など)
  • 食物繊維を摂る(野菜、豆類、キノコ類、海藻など)
  • 水分を十分に摂る(1日2ℓ程度を目安に)
  • 適度な運動(腹筋、ウォーキングなど)
  • 冷やさない

オメガ3で炎症を抑える

食事で摂る脂肪には、脂肪酸と呼ばれる成分があり、大きくオメガ6系脂肪酸(以下 オメガ6)と、オメガ3系脂肪酸(以下 オメガ3)に分けられます。

オメガ6は牛肉、豚肉、鶏肉といった獣肉に多く含まれていますが、過剰に摂取すると身体の中で炎症反応が起こりやすくなることがわかっています。

一方、オメガ3は魚介類や野菜に多く含まれ、炎症反応を抑えるよう働きます。
オメガ3にはEPA(エイコサペンタエン酸)DHA(ドコサヘキサエン酸)α―リノレン酸などの成分が含まれており、これらが体内に入ると、細胞膜や、ヒスタミンなどの化学伝達物質の中に取り込まれます。細胞膜に取り込まれると、膜が安定して細胞の炎症が抑えられ、化学伝達物質に取り込まれると、物質の構造が変化して、炎症を起こす作用が低下するとされています。

オメガ6もオメガ3も、身体に必要な必須脂肪酸なので、肉も魚も食べることが健康には大切です。
しかし肉類に偏った食生活は、花粉症をはじめアレルギーが起こりやすい体質をつくるもとに。下記を参照に、オメガ3を意識した食事を心がけてみましょう。

心がけたい油脂

  • EPA:イワシ、サバ、サンマ、マグロ、サケ、サワラなど
  • DHA:マダイ、マグロ、ブリ、アジ、ウナギなど
  • α-リノレン酸:しそ油、えごま油、亜麻仁油、海藻類など

根治が期待できる花粉症の最新治療とは

治療画像

花粉症の治療には、鼻水を抑える、かゆみを軽減するなどの対症療法と、症状が起こらないようにする根治療法があります。このうち根治療法は今まで注射剤しかなかったため、定期的な通院など患者への負担が課題でした。

しかし昨秋から、自宅で薬剤を舌下に投与する新しい治療法が保険適用に。この薬剤(シダトレンスギ花粉舌下液)は、ごく少量の抗原(花粉症の症状を起こすタンパク質)を含み、毎日舌の下に垂らすことで免疫を徐々に抗原に慣らし、最終的には症状が出ないようにしていくというものです。

今のところ、治療対象はスギ花粉症のみであることと、治療開始時期は花粉が飛び始める2カ月以上前、と限定されていますが、根治を望む人は来シーズン前に、耳鼻咽喉科に相談を。

レーザー治療を受ける際の留意点は?

くしゃみ、鼻水、鼻づまりといった鼻の重い症状には、レーザー治療も有効です。
炭酸ガスレーザーで鼻の中の粘膜を焼き、腫れを抑えるとともに花粉の侵入を防ぐというもの。特に鼻づまりには効果が期待できるとされる治療法です。

ただし治療後1〜2週間は、患部がかさぶたになるため一時的に鼻づまりが悪化することも。
人により多少の出血も見られます。また、鼻づまりでも副鼻腔炎など花粉症以外の要因が絡むものは効果が落ちるので、まずその治療を行なうことが望まれます。

なお、レーザー治療は根治治療ではありませんので、毎シーズン花粉飛散開始2〜3カ月前を目安に耳鼻咽喉科へ。上記のような副反応も含めて、治療と効果についてよく説明してくれる医療機関を選びましょう。

渡邉真由美 わたなべ まゆみ

プロフィール

健康予防管理専門士。
健康・美容・医学ライター、日本メディカルライター協会会員。

「ミドル~シニア世代のQOL向上」をメインテーマに、書籍、雑誌、WEB等の企画構成、取材、執筆を数多く行っている。

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