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健康のために

渡邉真由美のヘルスケアレポート

2014年 10月 更新家族のための「認知症」-気づく、ケアする、予防する-

認知症は、本人には症状の自覚がなく、家族が気づいて医療機関へ連れていき、診断されるケースがほとんどです。「自分の家族が認知症かも知れない」と思ったときに読んで欲しい、基本知識をまとめました。

その「物忘れ」、老化のせい?それとも認知症?

誰でも歳をとると、忘れっぽくなるものです。しかしもし、認知症による記憶障害だとすると、それは「脳の病気」。治療が遅くなるほど、生活に深刻な影響をもたらします。
認知症の代表的な“サイン”は次のとおりです。

「体験したこと自体」を忘れてしまう

老化による物忘れはあくまで「部分的」。例えば外食したとすると、どんな料理を食べたか、店の名前は?などの細かいことを覚えていない程度です。ところが、認知症による記憶障害の場合は、外食をしたこと自体を忘れてしまいます。

ほとんどの場合、本人に病気の自覚がない

認知症による記憶障害では、過去の体験がすっぽり「なかったこと」になってしまうので、本人に「忘れた」という自覚のないことがほとんどです。「認知症かも知れない」と自発的に受診する人のほとんどは認知症ではない、といわれるほどです。

「とりつくろう」傾向が

認知症の中でももっとも多い「アルツハイマー型」では、日付や曜日、年齢などの、必ず知っているはずの事柄がわからなくなると、周囲に悟られないようとりつくろう傾向が見られます。

例えば「今日は何曜日ですか?」と聞いて「私は会社を定年退職してから、毎日が日曜日なんです」と冗談めいた返事がくると、機転が効いていて問題のない印象を受けます。しかし実は、曜日がわからないのをとりつくろっているので、認知症の疑いがある、というわけです。

そのほかにも、会話などから次のような点に気づいたら、まずはかかりつけ医に相談し、「もの忘れ外来」などで検査を受けましょう。

  • 同じことを何度も言ったり、何度も聞いてきたりする
  • 同じ食品を続けて買ってきてしまう
  • 料理の手順がわからなくなった
  • 小銭の勘定ができず、買い物でお札しか出さない
  • 毎日、同じ服を着ている。身だしなみがだらしなくなった
  • 財布などの大事な物を盗まれたなどと訴えることがある

認知症のおもな4つのタイプ

認知症の原因にはいくつかあり、それぞれ症状等に特徴があります。
おもなものに、次の4つがあります。

アルツハイマー病レビー小体型
  • 老人班(変性したタンパク質)が、おもに脳の海馬にたまり、神経細胞が死滅
  • 初期では少し前の記憶が抜け、進行すると時間や場所がわからなくなったり言葉が出なくなったりする
  • レビー小体と呼ばれる物質が大脳皮質にたまり発症
  • 記憶障害とともに、実際にはないものが見える「幻視」が高率で起こる
  • 筋肉がこわばり、動作が鈍くなったり転びやすくなったりすることも多い。パーキンソン病と間違えられやすい
脳血管性型ピック病(前頭側頭型)
  • 脳卒中をきっかけに、脳の一部の神経細胞が壊死して発症
  • 記憶や思考力の低下、感情が不安定になり怒りっぽくなるなどの症状があらわれる
  • 高血圧や糖尿病のある人は高リスク
  • ピック球という病変が、おもに脳の前頭葉や側頭葉を委縮させ発症
  • 若年(65歳以下)に多い
  • 記憶障害はあまり見られないが、早い段階から性格が変わってしまい、社会的な行動がとれなくなる(交通違反や店で支払をせず商品を持ち帰るなど)

なお、認知症の原因は一つだけではなく、アルツハイマー病に脳血管性を併発しているなど、二つ以上の原因が重なっている場合も少なくありません。

認知症のタイプと割合

「治る認知症」もある

上に挙げた認知症は今のところ、進行を遅らせられても、完治させることはできません。しかし認知症の中には、もととなる病気を治療することで、症状が改善するものがあります。代表的な病気は、甲状腺機能低下症、ビタミンB12欠乏症、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症です。「認知症は治らないから」とあきらめずに、医師の診断を受けましょう。

生活習慣病の治療やケアが認知症の進行を遅らせる

糖尿病や高血圧といった生活習慣病は、アルツハイマー病を進める老人班をたまりやすくすることが明らかになっています。

特に糖尿病は近年、アルツハイマー病の発症と悪化に深く関わっていることがわかってきました。糖尿病があると脳血管性認知症になるリスクが健康な人の2~3倍、アルツハイマー病になるリスクも2倍、という研究報告があります。

また、早期の認知症かつ糖尿病の人が、治療や生活習慣の改善で血糖値を適切に管理すすると、記憶力や注意力が改善することもわかってきました。

したがって、糖尿病を早期で治療することや、食事と運動の見直しで血糖値をコントロールすることは、認知症の発症や進行を遅らせるといえます。

なお、コラーゲンペプチドには、マウスでの実験等で、高血圧を進める酵素の働きを抑える作用や、血糖値の上昇を抑える作用が確認されたという研究報告があります。ヒトへの健康効果はまだ明らかになっていませんが、今後の研究に期待が持たれます。

認知症を予防する生活術

有酸素運動

運動をすると、脳の神経細胞を新しくつくるBDNFという物質を増やす作用があることがわかってきました。また適度な有酸素運動は、前頭葉の機能を高めたり、脳の血流を良くして神経細胞の働きを活発にし、アルツハイマー病の発症を抑えたりするという報告もあります。ウォーキングやサイクリングなど、軽い負荷である程度長時間続けることにより心肺機能を高める運動がおすすめです。

メタボ予防

糖尿病は前項で触れた通り、また高血圧も、中高年で高血圧だった人が老年期に脳血管性認知症になるリスクは、高血圧でなかった人の5倍以上にのぼるとの研究報告があります。食事や運動などでメタボとそのもとになる内臓脂肪の蓄積を防ぐことが大切です。

歯周病予防

自分の健康な歯をできるだけ残すことは、噛むことにつながり、脳への刺激になります。特に糖尿病があると、歯周病も悪化させやすく、認知症のリスクを増大させてしまうため、口腔ケアはしっかりと。

レクリエーション

多趣味な人はアルツハイマー病になりにくいというデータがあります。具体的には、楽器演奏やダンス、手芸、絵画など、適度に体や頭を使うものがおすすめです。趣味を通して人とのコミュニケーションがとれる機会があればなお良いでしょう。

脳に良いといわれる「サプリ」や「脳トレ」の効果は?

「DHA」や「EPA」は脳のサプリなどと言われていますが、これらには認知症の予防効果は認められていません。また、家庭によっては、親に脳トレの問題集をやらせているという例もありますが、認知症の予防に役立つかどうかは不明です。義務でやっているよりも、楽しみながら取り組める活動の方が、脳の活性化に役立つといえそうです。

渡邉真由美 わたなべ まゆみ

プロフィール

健康予防管理専門士。
健康・美容・医学ライター、日本メディカルライター協会会員。

「ミドル~シニア世代のQOL向上」をメインテーマに、書籍、雑誌、WEB等の企画構成、取材、執筆を数多く行っている。

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