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健康のために

健康コラム

第27回

コラーゲンペプチドによるアスリートの「膝の痛み」軽減効果を証明!

城西大学男子駅伝部の選手を対象にした臨床試験において、コラーゲンペプチドが膝の痛みを軽減することが確認できました。その結果を2018年5月開催の日本栄養・食糧学会大会で発表しました。
ご協力いただいた駅伝部は今年の箱根駅伝で7位入賞を果たし、3年ぶりにシード権を獲得!試験を行った城西大学薬学部医療栄養学科(管理栄養士養成課程)の真野博教授にお話しを伺いました。

健康寿命を延ばす「ハッピーエイジング」を目指して

日本は言わずと知れた世界有数の長寿国です。しかし一方で、人の手を借りずに自立した生活ができる「健康寿命」は、平均寿命よりも10歳短いというデータが出ています。これは、10年間は誰かの支援や介護を必要とすることを意味しています。

したがって、健康寿命を延ばし、平均寿命に近づける=ハッピーエイジングが、個人にとっても社会にとっても重要になってきます。

要介護になる要因の約3分の1は骨、関節の病気です。裏を返せば3人に1人がこれらの健康を維持・増進することで、健康寿命の延伸が可能ということです。

骨、関節の健康維持・増進には「食事」と「運動」が重要です。私は前者の分野で、長年にわたり骨、関節のハッピーエイジングに貢献する食品成分を研究しております。その一つとしてコラーゲンペプチドに着目し、新田ゼラチンと共同研究を進めてきました。

【共同研究の経緯】
2003年真野教授と新田ゼラチンで共同研究を開始
2種類の活性型ペプチド(シグナル成分:PO,OG)を発見
2008年変形性膝関節症、褥瘡などの臨床実験を開始
2009年コラーゲン由来活性型ペプチド「コラペプ®」を発表
2010年骨・関節の疾病抑制に有効なペプチドとして特許を取得
(特許第4490948号 真野教授と新田ゼラチンの共同登録)
2011年長年の研究成果をまとめた書籍「コラーゲン完全バイブル」を出版
(幻冬舎、真野博 著、新田ゼラチンは編纂協力)

<最近のコラーゲンペプチド共同研究テーマ>

  1. アスリートの関節痛予防、改善(後述)
  2. 骨芽細胞の分子メカニズム
    分子レベルで組織を修復するメカニズムがわかってきました。
    活性型ペプチドPOが情報伝達物質(FOX-G1)のスイッチを入れて転写因子(Runx2)を介して組織を修復します。
    FOX-G1は神経細胞など様々なところにあり、多様な修復をもたらしていると思われます。
  3. 脂肪細胞への作用
    活性型ペプチドPOが間葉系細胞から脂肪細胞に分化するのを抑制することがわかりました。
    セルライト(皮下脂肪のうち、体表に現れる皮膚の凸凹の変化)を減らすことにつながると思われます。

毎日5gの摂取で膝の痛みが軽減

今回の研究は、城西大学男子駅伝部員51名を2つのグループに分け「コラーゲンペプチド」と「プラセボ(効果のない偽薬、今回はデキストリン)」を被験者にはどちらか知らせずに1日あたり5g、2カ月間摂っていただきました。そして試験開始前と終了後に、膝の痛みの変化をJKOMスコアで検証しました。4週間後の値を比べたところ、「コラーゲンペプチド群」で膝の痛みが明らかに減少していることがわかりました。


◆JKOMスコア(変形性膝関節症患者機能評価尺度)◆

「膝の痛みやこわばり」、「日常生活の状態」、「普段の活動」、「健康状態」の4 項目、全25問で構成される自記式質問表で、合計点をJKOMスコアとし、 重症なほど高得点となる。

JKOMスコア(変形性膝関節症患者機能評価尺度)

運動すると細胞からは炎症を起こす物質が作られます。運動後に筋肉や関節等に痛みを感じるのは、この炎症性物質が放出されているためと現在は考えられています。

今回の臨床試験で、コラーゲンペプチドをとった選手に痛みを感じる人が少なかったのは、コラーゲンペプチドが膝の「腱(けん)」や「じん帯」の細胞に作用し、痛みのもととなる炎症性物質が減っている可能性が考えられます(※)。このメカニズムを明らかにしていくことが今後の研究課題です。

※2017年5月の日本栄養・食糧学会大会で発表した予備試験結果では、コラーゲンぺプチド摂取群で、炎症マーカー(TNFα:炎症性物質の指標)の減少が見られました。

関節だけでなく、筋肉にも働く

筋肉組織は負荷がかかると損傷し分解されますが、その程度を示す指標(筋肉分解マーカー)が「プラセボ群」では上昇しているのに対し、「コラーゲンペプチド群」ではむしろ減少していることもわかりました。


◆筋肉の分解マーカー(3-メチルヒスチジン)◆

血中に排泄される3-メチルヒスチジンは,筋肉代謝の最終代謝産物で、体内の筋肉たんぱく質の代謝を反映するため、筋肉の分解マーカー(指標)として使用される。筋肉が損傷して分解が進むほど高値になる

筋肉の分解マーカー(3-メチルヒスチジン)

これは、コラーゲンペプチドが足の「筋肉」の細胞に何等かの良い作用をおよぼしているのではないかと考えられます。

なお、コラーゲンペプチドをとる群の方が総トレーニング量が多かった、つまり日ごろの走行距離が長かったという結果も出ています。コラーゲンペプチドをとることで、膝の痛みが減少し、積極的にトレーニングできたのではないかと考えられます。

元気な人にもおすすめのコラーゲンペプチド

今回の臨床試験では、若くても膝を酷使するアスリートにコラーゲンペプチドは有用といえる結果が出ました。このことから、加齢などで膝の痛みをふだんから感じている人だけでなく、老若男女問わず健康で運動を趣味にしているなど、膝をよく使う人にもいいと思われます。

昨今、中高年世代のランニングやサイクリング、山登りが流行っています。「膝に痛みはないし、元気だから自分には必要ない」と思われるかも知れませんが、そうしたアクティブな人ほど、将来痛みが出るリスクを抱えているといえます。元気だからこそ、膝を酷使しがちなこうした人たちにも、コラーゲンペプチドをおすすめします。

真野 博先生

お話しを伺った方 真野 博先生

プロフィール
城西大学薬学部医療栄養学科 食品機能学 教授

東京農業大学大学院農学研究科農芸化学専攻博士課程修了後、同大学応用生物科学部講師等を経て2001年から城西大学薬学部医療栄養学科講師、2005年から同准教授、2010年から同教授、現在に至る。高齢でも健やかでいられる「ハッピーエイジング」をテーマの一つに掲げ、食品機能学、骨代謝学、分子細胞生物学の観点で、骨や関節の病気を予防して健康寿命を延ばしたいと考え、機能性食品の骨に与える影響に関する研究に長年取り組んでいる。

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